めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

魔女と猟犬4(カミツキレイニー著)の感想

 すげえ本を読んだ。何度だって言うけど本当にそう思いながら読んでおります。

 表紙のぐるぐる目の魔女さんかわいいな……好みだな……と思ってワクワク開いたら、見事なまでのダークファンタジー面目躍如の内容でヒョエエとなりましたです。面白くてどんどん読めるボディブローを食らい続けているようなエッグい内容でした。

 今回は魔女災害が発生した村に向かうアメリアの異端審問官とそれについていく宮廷詩人が、かつて処刑された魔女フランツィスカと新しい魔女災害の謎を解く……というミステリ仕立てのお話で、すごい大どんでん返しがあるという「こんなのアリかよ!!!! アリなんだよ面白いから!!!!」という感じのお話でした。

 まずは冒頭からエグい。お馴染みのモブから見た魔女災害、お菓子の魔女というのがそんな可愛らしいものでないというのを堂々と宣言します。そしてお話の途中で、ヘンゼルとグレーテルが挟まったりするのですが、なにより「飢饉」がお話のベースなのがエグい。フランツィスカの境遇もこれまたエグい。

 何を言ってもネタバレなのでそこは口をつぐむとして、今回もロロがかっこよくて優しい男前であったことを書いておきます。あとテレサリサが相変わらずカヌレ大好きなのもとてもよいです。というかカヌレって高級なお菓子なんですね。蜂蜜たっぷりのカヌレとか蜂蜜酒とかおいしそうなものがポコポコ出てきて楽しいです。あと異端審問官見習いのエイミーがかわいいです。もちろんお菓子の魔女さんもとてもかわいいのですが、使う魔法の怖さでは過去最強ではないでしょうか。そして今回も「魔女も人間」というスタンスを貫いていてよかったです。

 フランツィスカが処刑されるときに叫んだ言葉が本当に怖くて、まあそのあたりは最後まで読んでくれという感じです。あと章タイトルの正体が分かるシーンは流石にぞわっとしますね……どれだけの恨みがそこにあったのかと。それと最初のほうに登場するとあるモブへの深読みが楽しいです。楽しく行間を読めるラノベ最高!!

 

 このシリーズ、ビスコファンにはお馴染みの漫画アプリ「マンガUP!」でコミカライズが始まりまして、いま原作1巻の頭らへんまで読んでいるのですが、キャンパスフェローのみんなが元気に生きていて「みんなあんなことになっちゃうんだよな……」と思いながら読んでます。とてもきれいな絵に文句なしで面白いお話なのでそちらもぜひ。

 あと話は原作4巻に戻りますが、あとがきのあとで例によってカプチノたちがどうしているか分かるので、ぜひあとがきのあとまで読んでほしいです。次のお話が楽しみです。楽しそうだなぁ。たぶん次も激エグのお話なのでしょうが……。

 

 面白かったです、オススメです!

公務員、中田忍の悪徳6(立川浦々著)の感想

 お久しぶりです。またすげえもんを読んだぞ!

 いやあ今回も大変面白かったです。お祭りで浴衣や無人島探検と、ライトノベル度数高めな内容にも関わらず、相変わらずの中田忍!!!! でした。とにかく大変面白かったです。

 「耳神様」を知っていた認知症のお爺さんと出会ったのがきっかけで、とある島に調査にいく……というのが主な内容なのですが、出かけるにあたり車をアリエルちゃんが運転するんですよ。アリエルちゃん、環ちゃんと一緒にアルバイトしちゃうんですよ。このブログ書いてる人間より社会に適応しちゃうんですよ。すげえです。

 アリエルちゃんがこれからどうなるのか、とてもとても楽しみでありながら、無人島探検に至る前に訪れた広島の毒ガス資料館や原爆ドームで、人間が仲良くできないことについて語る中田忍がせつないんですよ。それから前の巻でも匂わされていた中田忍の過去がせつないんですよ。中田忍……! ってなっちゃいます。

 あとレトリックが面白くて付箋だらけにしてしまいました。すごく笑えるところもちゃんと用意してあって(鮮魚売り場の親方とかキレる一ノ瀬さんとか)、緩急自在だ……と思いましたです。

 最後に特大の爆弾が仕込まれていて、これは続きに期待するしかないではありませんか。しかし今回はめずらしくあとがきを最後に読んだんですけど、もう物語は終盤に入っているようで、「うそだろ……?!」となっております。これから「耳神様」や「ナシエル」がどう料理されるのか、とてもとても楽しみです。

 なにより人間の醜さを、中田忍の庇護の下にいたせいでぜんぜん知らなかったアリエルちゃんがせつない。中田忍は自分を悪役にするのが上手いんですよ。でもだんだんと、人間味みたいなものが染み出てきたのがいいなあと思います。

 あと中田忍が意外とグルメ、というのがとても面白かったです。自分で凝った料理をよく作っているので料理が好きなんだなーくらいに思ってたんですが、外食するときもおいしいお店を熟知しているのが意外な一面として描かれててよかったです。

 

 さて、今回もイーホンくんが頑張ってくれたので、この作品と「魔女と猟犬4」を発売日にゲットできました。ガガガは本当にいい本を作っている……。「魔女と猟犬4」も頑張って読もうと思います。

 それからそのうち叔父上からゴッソリ借りたオーバーロードの話もしたい。いやあ読書って本当にいいものですねー!!!!

【番外編】シン・仮面ライダー観てきた!

 なにぶん観賞直後でないので細かい部分は忘れているかもしれませんが、シン・仮面ライダー観てきました。初代仮面ライダー視聴リアタイ勢の叔父上に、「あのー、シン・仮面ライダー観にいきません?」と連絡したところ、「いいよ!(笑顔の絵文字)」と朗らかなお返事をいただいて、叔父上の運転で隣県のシネコンに行ってきたわけです。

 いやあ圧巻の映像体験でしたわ。それは単純にわたしが映画慣れしてないだけなんですけど、すごく面白かったです。

 シネコンに思ったより少し早く着いたので、物販を眺めてたんですけど、ショッカーのロゴを使ったグッズがいっぱいあって、叔父上が「なつかしー!!!!」となっていて、そのグッズに「ショッカー」(綴りは忘れた)という英単語の文字を頭文字にした長い名前の書かれたグッズがあって、叔父上は「よくまあこんな長い縦読みを考えるもんだ」としみじみ言っておりました。それがお話にちゃんと出てきてすごいなあと。

 で、ここから先はちょっとネタバレ注意なのですが。映画本編なんですけど、冒頭のシーンで結構ゴア表現っつうんすか? 流血が激しくてドキドキしました。いや結果とてもとても面白かったのですが。

 流石に「ショッカーに改造された男がショッカーを倒すべく戦う」ということは知っていたのですが、倒されたオーグメントたちやショッカー関係者が泡になって消えていくのは耽美だなあと思いましたし(人魚姫みたいですよね)、あと蜂オーグが可愛かったし(10歳若くて10キロ瘦せてたらコスプレしたかったキャラクターがまた増えました)、緑川ルリ子の遺言のシーンでちょっと泣きそうになりました。二号が仲間になったり、二人で蝶オーグを倒しに行くところはとてもワクワクしましたね……。

 それから劇伴がいい! シンゴジのときもそうだったけどこれ世代の人にはたまらないやつなんじゃないかな……と思いました。ちなみに叔父上は初代仮面ライダーリアタイ世代といえども当時は子供だったので、スタッフロールで流れた原作主題歌三曲のうち一曲しか覚えてなかったとのことでした。

 とにかく面白かったです。ショッカーの思想とかそのあたりが特に。哲学的な命題をたくさん含んだお話だと思いました。

 

 さて、隣県のシネコンに行くには片道一時間かかるんですよ。なので映画本編と合わせて午後がぶっ飛びました。

 シネコンに行くのは名探偵ピカチュウ以来でして、コロナ禍前より人出は減っていました。それでも地元を思うと人はたくさんいたんですけど。

 そんでもって叔父上の車というのがマニアックな調整を自力でいろいろやった車でして、スマホブルートゥースでオーディオを繋いでアニソンがしがし流しながら移動したのですが、叔父上は明らかにわたしと同じタイプのよくしゃべるオタクでして、車の中でずっといろいろしょうもない話をしました。しゃべり疲れた……。

 我が家で夕食にしたので途中ケンタッキーに寄ってフライドチキンとコールスロー買ってきたんですけど、わたくしケンタッキーのメニューで一番好きなのがコールスローだったりします。多めに買って余ったのは従弟の青年一号に持ってって、ということになりました。

 叔父上はわたしがネット上で叔父上とか青年一号二号とか呼称していることを知らないと思うんですけど、あちこちに連れていってもらえて嬉しいです。見てないと思うのでこっそりかつ盛大に感謝しておきます。ありがとう叔父上! 楽しかったよ!

 シン・ウルトラマンのときはお猫様がガチの子猫で目を離したら最後という感じだったゆえにそのうち金ローでやるだろ、と我慢したので、今回シネコンに連れてってもらえてとても嬉しかったです。映画はでかい画面で見るのが最高ですね。

 シン・仮面ライダー、面白かったです。予備知識ほぼゼロでも楽しめました。オススメです!

SPY×FAMILY11(遠藤達哉著)の感想

 はー面白かった~!!!!

 電書貼ってますが紙の本で手に入れました。イーホンくんが頑張ってくれたおかげで発売日に入手して読めました! ありがとうイーホンくん!!!! ところで電子版ってカバー裏の楽しいやつ読めるのかな……。

 

 今回は病院でスパイが暗躍する話とユーリの重い愛と、スクールバスジャック編が載っております。どれもやっぱりバチクソにおもしれー話でしたね……。

 スクールバスジャック編、博物館に課外授業に行くバスがテロリストに乗っ取られる話なんですけど、アーニャの人の心が読める故のタングステンメンタルがすごいです。そうだね、子供を脅すなら偽物の爆弾で十分だもんね……相手が超能力者でなければ。

 とにかく展開がすさまじい、ハラハラドキドキの事件でした。子供なりになんとかしようと頑張ってなんとかなっちゃうのがすごい。そしてテロリストの過去がせつない……。

 あとベッキーのパパがたいへんよいです。私立軍隊持ってるんですね……。なるほど規格外のお金持ちだ。しかし戦車でテロリスト吹っ飛ばしたらスクールバスもぶっとぶでしょうに。ベッキーめちゃめちゃ溺愛されてるんですね……。

 アーニャのブサイク顔とかビルくんの大活躍とかダミアンの漢気が読めて楽しいです。今回もたいへん面白かったです。さすが国民的コンテンツ……。あとダミアンのお母さんがなにやら恐ろしかったです。

 

 スパイファミリー、めちゃめちゃ人気作になってめちゃめちゃ大規模にメディアミックスしてて、舞台とかもやってるらしいと聞いて「ヒョエー!」となっています。帯には展覧会の開催決定が載っていましたし。

 アニメの続きが楽しみです。どういうところに着地するのか、はたまたジャンプの超人気コンテンツでたまにある最初から最後までアニメにしちゃうやつなのか、期待がいやますと申しましょうか……アニメと漫画だと摂取できる栄養が違うので、アニメも期待しております。スマホで一週間遅れで見るんですけど。

 もうすっかり国民的作品なんだなーと思います。アニメの地上波が半年遅れのわたしの居住地でもスーパーのお菓子売り場にグッズありますしね……。

 以前ツイッターを見ていたら「アーニャが可哀想すぎて泣きながら観てる」というツイートを見たことがあります。いろんな人が読む/観る作品だからこそ多様な意見が生まれるのだなあと思っています。

 最初はインスタの広告でボンドを見たのがきっかけで読み始めたのに、いまではすっかりファンになってしまいました。ジャンプラで連載を追いかけるより単行本で読みたい人間なので、紙の本をちゃんと出せる集英社しゅごい……となりました。

 あと集英社は連続強盗事件の指示役の男の通称について怒っていいと思っているうちに騒ぎが鎮火してしまいました。まあそれはどうだっていいんだ。

 

 面白かったです、オススメです!

はたらけ! おじさんの森4(朱雀伸吾著)の感想

 いやはや、相変わらずの奇書もといハチャメチャ・オモシロ・ライトノベルでした。

 新手のおじさんが大量登場する愉快なお話でした。木林さんの名推理も読めるぞ!

 前の巻で登場したぶどう島と、それに関わる島々のクセつよおじさんが続々登場する楽しいお話です。GANMA島のおじさんたち、本当にクセがすごいんじゃ……。そして物語中盤で進さんが考えた世界の成り立ち、あまりにも怖い。物語の核心部分なのではないでしょうか。

 ぶどう島のおじさんたちの生活力のなさ、本当にビックリします。ぶどう島のハイエナのあにまる、エナジーさんが悪いことしか考えてなくて、「待て……ハイエナはかわいいぞ……ツイッターでどっかの動物園の公式がUPしてくるハイエナかわいいぞ……こんな悪いやつでは……」と思ってしまうなどしました。まあハイエナのパブリックイメージってやつなんでしょうね。

 みんなでおつまみについて議論するくだりはおじさんたちのお話という感じで楽しいですし、秋良さんのおつまみの趣味がおじさんたちの中では比較的若い感じがするの「リアルぅ」って思いました。あと最後の章の死語の話、わたしまでショックを受けるという……。

 冒頭いきなりおじさんたちの自己紹介が始まって、やたら長くて笑いました。おじさんの自己紹介長くなりがち。あとNPCのクセがやっぱり強い。クセつよキャラで強引に話を進めていくのはすごいですね。そしてなによりそれが面白いからすごい。

 挿絵の木林さん率の高さがすごいです。木林さん、あまりにも便利すぎる。木林さん、オタクのおじさんなのにすごくイケメンでビビります。最後のほうのプログラミングの授業が楽しそうで楽しい。あとチュンリーはやっぱり木林さんが大好きなのでした。そして木林さんがイベントをやろうとするのが果てしなくオタクだ……あと木林さんの酒のアテがオシャレ。

 この世界にもゲームは存在していて、しかし35歳で隠居になってしまうわかものたちはRPGやシミュレーションみたいな時間のかかるゲームでなくシューティングばかりやっているというのはなんだか切ない話だなあと思いました。わかものたち、ファスト映画とか10分で読める本のあらすじで満足してるんだろうなあ……。

 とにかく異次元殺法がすごいラノベでした。読書って楽しいですねえ。暗くなる要素が微塵もない、信頼のおけるギャグラノベでした。あとネコミちゃんかわいい。

 しかしこの先、進さんの仮説が本当だったら……とぞわっとするので、とにかくみんな読もう。ここから加速度的に面白くなるかもしれない……。

 

 面白かったです、オススメです!

七つの魔剣が支配する Side of Fire 煉獄の記(宇野朴人著)の感想

 すごいライトノベルを読んだぞ。

 あの「七つの魔剣が支配する」の外伝的作品で、ゴッドフレイ統括ことアルヴィン・ゴッドフレイの一・二年生時代を描いた作品です。相変わらずのななつま節全開でありながら、いわばダークヒーローである主人公オリバーでなく、ひたすらにいいやつ全開のゴッドフレイが仲間たちと大暴れします。

 まずカルロスが仲間になるんですけど、本編で退場した脇役がいいポジションにいるのはとても胸が熱くなります。それからレセディ、ティム、オフィーリアが仲間になります。しかし元気にオフィーリアが頑張ってるのを見ると本編の彼女の可哀想さが際立ちますね……。ティムの過去が壮絶だったのもななつま節全開だなあと思います。

 しかしティムは本当にわたしのツボをえぐってくる男の娘だ……。アルヴィンに懐くまでがたいへんニコニコしながら見られます。問題児ばかりの仲間たちですが、うまくかみ合って自警団を組むのが楽しそうです。ミリガン先輩も登場するし決闘リーグのあたりでバチバチにやっていたレオンシオの一党も登場するワクワク感! レオンシオがアルヴィンに固執する理由が完全に恋に落ちたってやつで、続きが出るならぜひレオンシオのクソデカ感情を出してもらえたらうれしいなあと心の中の中学生腐女子が叫んでおりますです。

 しかしアルヴィンがまともに魔法が使えないなか、いろいろな魔法学校の入学試験を受けて、キンバリーだけが最後まで試験をやらせてくれたというの、キンバリーの懐の深さというか底知れない闇を見た気がします。魔法が使えない理由もまさかの方角で、それをクリアしたらあの火力バカのゴッドフレイ統括になるわけですが、しかしどんなことであれ教えることがうまい人から最初に指導を受けるべきなんですよね。最初の先生が悪いとなんでもしくじるというか。

 今回魔に呑まれた先輩もこれまた悲しい過去を背負ったひとなのですが、外伝に出てくるだけだともったいない感じのするキャラクターでした。まあ死んじゃってるから本編に登場のしようがないのですが、キンバリーという学校の育てる魔法使いはいろんな人がいるんだなあと思いました。

 面白かったです、ぜひ続きを読みたいです。

 

 さて、今月はもう確実に買う本はなくなったな……と思っていたら、おとといだったかにヒーロー文庫さんの公式がおじ森の新刊情報を出してきたではありませんか。発売日は今月末ですよ、もうちょっと余裕を持って告知してください……。

 そして発表から日にちが経ってもイーホンくんでおじ森4巻を注文できないので、お問い合わせしてみたら「お探しの商品はこちらですか?」とメールでリンク送ってきやがりました。無事予約できたから怒る必要はないんですけど……イーホンくん、そういうとこだぞ。

 とにかく読書が楽しいです。健康になった気がするー!!!!

七つの魔剣が支配するⅪ(宇野朴人著)の感想

 すごく面白い本を読みました。

 今回は長期休暇で旅をするいつものみんなが見られます。そしていろんなことを考えさせられました。世界観の練り込みが凄まじすぎる!

 ゴッドフレイ統括などなど先輩のみなさんが卒業して、オリバーたちは上級生になるのですが、その前の長期休暇であちこちを旅するお話です。みんなで美食して乱痴気騒ぎをしたり、カティの実家やシェラの実家に行ったり、とにかく楽しい……そして闇のチラつくお話でした。

 オリバーがナナオを好きな理由というのがね……もうね……可哀想に……って感じでした。そしてカティはオリバーが好きなんですけど、その一方でガイに甘える自分に困惑していたりとか、いつものみんなの関係が際立ってきて、いいぞいいぞ若者よ、となりましたです。

 カティの実家の話が面白かったです。入浴シーンがあるぞ(サウナと池でととのうだけですが)! カティのご両親がカティを心配していて、オリバーがカティのヤバい現状を素直に言うシーン、これがこの世界の魔法使いの基本なんだなあ……と思いました。カティの両親のしたこともなかなか恐ろしくて。

 それからシェラのお母さんがぶっ飛んでてめっちゃいいキャラしてました。なにこのひとめちゃめちゃ面白い。あとシェラのお母さんの仲間たちが愉快すぎてめっちゃ面白かったんですけど、そのあとに出てきた新しい敵がヤバい。新手の敵恐ろしい。まあ読んでくれ間違いなく面白いから。

 世界が広がれば物語も広がるというのを体感しましたです。いやあ実に面白かった。若者たちの成長にワクワクしたり世界のヤバさに震えたり……。

 

 さて、本作は同月に外伝的作品も出ていて、そっちを読むのも楽しみです。卒業のタイミングでゴッドフレイ統括のお話が読めるのは期待しかない。しかしイーホンくんよ予約もまとめてできるようにしてくれ……(2冊べつべつに分厚い段ボール箱で本屋さんに入ってた)。

 あと叔父上が貸してくれた「オーバーロード」がたいへん面白いです。ずいぶん前の本ですが異世界暴れん坊将軍って感じでいいですね。これからアインズさん悪役になっちゃうらしいですが。

 

 とにかく面白かったですななつまⅪ。痺れる面白さでした。おすすめです!

異修羅Ⅶ 決凍終極点(珪素著)の感想

 すげーものを読んだ。

 相変わらずの修羅ぶりでした。画像に帯はありませんが紙の本だとでかでかと「TVアニメ化決定!」の文字が踊っております。裏にはアニメ版のキャストも二名出ていて、ソウジロウの声がクラシカロイドモーツァルトだと知って「?!」となりました。

 いやあ面白かった、ルクノカさんとサイアノプの戦いを軸にこれでもかこれでもかと陰謀がぶつかり合う展開に、「なんこれ面白……!」と釘付けでした。とにかく面白いんだ読めオラァっ! という感じ(言葉が悪い)。今回から登場した新キャラがこれまた濃ゆいんですよ、個人的にロケットパンチのひとが好きです(名前を把握しろ)。

 サイアノプの過去がすさまじくてですね、努力でここまでできるようになるなんてお前週刊少年ジャンプの漫画の主人公じゃん……!!!! となりましたです。サイアノプ、過去を知るとめちゃめちゃ思い入れの湧くキャラクターでした。いやしかしサイアノプ、ウーズですよ、スライム的なやつですよ、ぷるぷる……ぷるぷるの格闘家……。

 そしてルクノカさんがどうあがいても人間には倒せないタイプのモンハンの古龍でして、そのルクノカさんとサイアノプがどう戦うのか? というのが見どころです。あとサイアノプとクウェルさんの関係の尊さよ。なんて尊い……!!!!

 権力闘争がもうひとつの軸になっているんですけど、ヤバいひとが続々と出てくるのがヤバいです。ハーディさんそんなヤバいひとだったの……? という感じでした。あとツツリさんの根性がやばくてやっぱりツツリさんもジャンプの漫画のキャラクターなの???? となりましたです。

 

 やはり修羅群像劇という新しいジャンルを突き進んでいるなあと思います。修羅は一人いれば面白いけどたくさんにすると凄まじい化学反応を起こすのですね……もう夢中で、3日でサクッと読み終わりました。

 相変わらず文章は読みやすいし内容も濃ゆい。「面白い」をじかでぶつけられた気分です。面白いってこういうことなんだぞ理解しろかねざわ。ついでに言うと、あとがきが安定のスパゲッティでした。おいしそー。

 アニメ化に期待しかないのですが、しかしこれどこまでアニメ化するんでしょうか。そしてメステルエクシルくんの声は可愛いのか怖いのか問題が大きい。間を取って合成音声っぽくするというのが予想なのですがそこは分からないわけで。今回のⅦ巻はキヤズナもメステルエクシルくんも名前のみの登場だったので、また続きで出てきてくれたらな、と思います。メステルエクシルくんは推し修羅なので……。

 

 とにかく面白かったです、相変わらずいろんな人がそれぞれいろいろ戦いまくる凄まじいお話でした。オススメです! 続きに期待しております!

【番外編】RRR観てきた!!!!

 すんげえ映画観てきた。ずばり「RRR」というインドの話題作です。監督が「バーフバリ」の監督だそうでなにやらツイッターがざわついていて、観たいなあでもシネコンじゃたぶんやってないしだいいちシネコン片道1時間半だし……となっていたら超地元の名画座、御成座でやるというではないですか。

 この御成座という映画館、超絶レトロでいい味出してる映画館でして、なんとでかいスクリーンが一つあるだけの懐かしい風情の映画館で、客席で昔懐かしい石油ストーブを焚いているという北国の映画館でまあムードたっぷりなんですよ。そんな劇場で観られるというのはワクワクが過ぎるじゃないのという感じです。あと絵看板がすごいのです。

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 この看板手描きなんですよ……しかもボランティアの人が描いているという……。

 で、「バーフバリ」のときはほぼ貸し切り状態で観ていたので、今回はどうかなーと思ったら私以外にもちらほらお客さんがいるという状況でした。ストーブ前の席に陣取っていざ上映! となったわけです。

 

 まずは音楽がすごい。冒頭のマッリという少女の歌が可愛くて素晴らしい……からの怒涛の展開! なにが「マントルピースの上に飾りたい」だ英国人!

 お話はラーマとビームという2人の男が友情! からの敵対! からの友情! という素晴らしい内容でした。3時間がマジで一瞬でした。錆喰いビスコを読んだ時の気持ちに近い、クライマックスが終わらない展開は超ワクワクしました。

 もちろんインド映画なので踊るわけですが、「ナートゥをご存じか?」という名台詞と踊りまくる英国人インド人!!!! というのはとても楽しかったです。

 舞台が1920年のインドなので英国に支配されてその英国に家族を奪われた男ふたりが、全く違う方法で取り戻そう(あるいは仇を討つために立ちあがろう)とする展開はすごいなあと思いましたです。ラーマはとある目的があって英国への反乱分子を取り締まる警察官になり、ビームは英国人に攫われた村の少女マッリを助けるために反乱分子として潜伏し……というなか友達になっちゃうんですよ。ビームさん、ラーマさんを「兄貴」って呼ぶくらい懐いちゃうんですよ。いやあこの友情が熱い!!!!

 そしてわたくし朝ドラクラスタゆえ1920年といえば朝ドラでよく出てくる時代だなあと思いながら観てました。日本ではまだ女の人は着物に日本髪の時代なんですよね。同じ時代でもやっていることがぜんぜん違う。

 とにかくRRR、エンドロールまで最高オブ最高の映画でした。とにかく音楽がよいのです。「これからRRR観ます」ってツイートしたらフォロワーさんから「いいぞ〜サントラ欲しくなるぞ〜」というリプライが来た通りでした。歌うし踊るしアクションすごいし、なんというか「問答無用!!!!」という感じで面白かったです。

 

 で、なにかグッズを買おうと思って、オタクなのでクリアファイルを買ってきました。サントラは売っていませんでした……。

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 いい思い出になりそうです。

 いやあ面白かった〜。久々に劇場に行きましたがこれは劇場の大音響と大画面で観るべき映画だと思います。

 最高の劇場で最高の映画を観た、という気分です。面白かったです! オススメです!

三体0 球状閃電(劉慈欣著)の感想

 すげー本を読んだ。

 三体シリーズの前日譚、というワクワクするお話が出版されたというだけでしばらくウキウキしていて、ようやっと図書館に入ったので借りて読みました。面白かった〜。

 このお話のヒロインの林雲さんがすごく、すごく危うくて、やべえ女だ……となりました。でも三体シリーズの女の人はだいたいみんな危うくてやべえ人だな……。とにかく林雲さんの魅力がすごいんですよ、だんだん常軌を逸してくる彼女の兵器への執着がお話を進めていきます。

 主人公の陳は球電という現象を研究する科学者で、彼が軍人の林雲さんに出会い球電を兵器として活用する道を探る……というなかなかやべえお話です。三体本編に登場した丁儀さんも出てきてやべえ度数が上がっていきます。

 いや、球電を起こす条件になるとあるものを見つけた瞬間がやばい、そこから展開される話がやばい、ラストがやばい。まさかそこからあの現象起きるの???? という感じです。

 最初はなんだか地味だなーって思いながら読んでたんですけど、ぜんぜん地味じゃなかった。すごかった。物理はぜんぜんわかんない(そもそも習ったことがない、中卒なので)んですけど、オタク界隈にいるのでシュレディンガーの猫についてはある程度聞いたことがあって、まさかここでこのお話に使う???? となりました。すごかったっす。

 そして序盤に出てきたあのキャラクターがここで?! ともなるのが嬉しかったです。いやあいいものを読んだ。

 面白すぎてクラクラしました。あっという間に読んじゃった。一気読みが吉です。

 読んでる間、「丁儀さんって三体のどのあたりに出てきたんだっけ……?」って考えてたんですけど、役者あとがきにちゃんと書いてあって「ここかー!」と納得及び理解できました。「三体 登場人物」でググっても出てこないんだもん丁儀さん。

 なんというか、筒井康孝の長編SFみたいな味がしました。初めてSFに出会ったときのワクワクが思い出されます。しかし聖書から引用して劉慈欣先生は当局に捕まらないんだろうか。

 新概念兵器の話はいまの戦争が起きたりあちこちきな臭い雰囲気になっている時代に読むと「ヒィ」ってなるんですよね……。すげえわこれ。面白かったです。劉慈欣、やはりやばい作家だ。

 知り合いに三体シリーズを勧めたら「えー中国の言論統制下で書かれたやつでしょ? そういう思想のやつは読みたくないなー」って言われて地味にショックを受けたんですけど、偏見で本を読まないのは損だと言いたい。みんな! 三体おもしろいよ!

 

 面白かったです、オススメです!

裏世界ピクニック8 共犯者の終り(宮澤伊織著)の感想(微ネタバレあり)

 マジでバチクソやばいものを読んだ。

 前の巻で鳥子の目的が失われ、鳥子は空魚に告白して空魚は答えに悶々と悩む……というお話です。なんというか……すごかった。

 極力ネタバレなしで書こうと思います。二人の行き着く先、それはあなたの目で読むのです。絶対いいから。絶対言葉を失うから。絶対読み終わったあと茫然自失するから。

 

 空魚はいろんな人に鳥子との関係の相談をするんですが、その途中に出てくるなっつんとカラテカちゃんの関係が大変よろしいでした。そして新登場の辻さんがなかなかヤバい人でたいへんよいです。あと霞ちゃんのワードサラダに笑ってしまった……。

 今回は「ムジナ」という怪異に空魚が出くわします。のっぺらぼうの鳥子が現れたりして、夜に読むとなかなか怖い前半戦となっております。空魚が自分の鳥子に対する気持ちの正体に気づくシーンとか「えっぐ……」となります。

 そしてムジナに化かされるのはもういやだ、と空魚のとる行動がいいんですよ、すごくいいんですよ、とてつもなくいいんですよ……。

 ガチの百合が突撃してくる内容ではあるんですけど、なんだかいいものを読んだなと思います。愛はよい。ただ親には読ませられない。

 とにかく面白いからみんな読んでくれ、保証する。裏世界のあとは打ち上げだ!

 

 百合とSFって相性がいいんだなあとガンダム水星の魔女を観て思っていたのですが、元祖百合SFはこっちでした。今回はちゃんとSFしてるのに女の子同士の激重巨大感情のぶつかり合いで、ある意味水星の魔女のフレッシュトマト事件なみに生々しくてショッキングかもしれません。

 でも「生々しい」でくくっちゃいけないというかなんというかこう(ろくろを回す)……。

 それはそれとしてベラボーに面白いからみんな読んで、そして巨大感情のぶつかり合いにやられて。

 そして最後のやつは最初からこれをやる予定で二人の名前を決めたのでしょうか。だとしたら作者半端ねーわ……と思います。

 

 とにかくめちゃめちゃに面白かったっす。なにを言ってもネタバレになっちゃうのが辛い。当たり障りのない話しかできないけどとにかく面白いから読んで。1巻からぜんぶ読んで。裏世界ピクニック、マジでリアルでガチの傑作という評価が心の中に海賊漫画の描き文字のごとく\ドーン/ってなりました。

 夜に読んでて読み終えて、ツイッターで読了報告をすることすらできずにこうして感想を書いております。面白いからみんな読んで。凄まじき百合だぞ!

 

 面白かったです。おすすめです……もちろん既刊を読んだ上で。

2022年の読書を振り返って

 今年ももうすぐ終わりますね……(遠い目)。

 いろいろありましたが今年も読書を振り返ろうと思います。

 今年読んだ本は合計200冊、うち初めて読んだ本は134冊です。総読書数はプラスできょう年末恒例「大晦日筒井康隆」をするので合計201冊になりそうです。ギリギリだな!

 子猫氏がやってきて本を読んでる隙にいたずらされたりしたので低調になったのかもしれません。まあ目標の200冊はクリアしたのでよしとする。

 では1月から振り返っていこうと思います。

 

 1月はなんといってもこれでした。

 とにかくハチャメチャに面白かったです。続刊はいつなのだろう……。

 

 2月!

 続き出ないかなあ……と思っております。りょくち先生最近ぜんぜんツイートされてないな……。

 

 3月!

 このシリーズ面白いんですよねえ。今年もよかったです。

 

 4月!

 選べなかった!!スーパーカブ終わっちゃったし隷王戦記も終わっちゃった……。

 

 5月!

 今年はてんコミドラえもんを全巻揃えた記念すべき一年でした。

 

 6月!

 バッチバチに面白かったっす。ダークバトルファンジーという感じでしたね。

 

 7月!

 選べなかった!!(2回目)。どっちも面白かった~!!

 

 8月!

 

 選べなかった!(3回目)三体Xは強火オタクのパワーを感じました。大奥の陰陽師のほうはつるみ先生の新境地という感じでした。面白かったな~!!

 

 9月!

 ここには感想をUPしてないですけど、叔父上から借りて「すげー! やべー! すげー!」って読みました。

 

 10月!

 相変わらずのすさまじい奇書ぶり、素晴らしきでした。

 

 11月!

 すさまじいSF味の本でした。おもしろかった~!!

 

 12月!

 選べなかった!!(本日4回目)どれもすごく面白かったです!

 

 今年思ったのは「わたしは物語が好きだ」ということです。書くならエッセイも好きなんですが、読んで面白いのはやっぱり物語でした。

 来年もモリモリ読んでモリモリ更新するぞ~。

 みなさん、よいお年を!

じょっぱれアオモリの星(佐々木鏡石著)の感想

 すこたまおもへぇ本コ読んだ(すごく面白い本を読んだ)。

 最初にこの作品とエンカウントしたのはいつだったか。ツイッターになろうの紹介文がドンドコ流れてきて、「なんだこのヤベェ作品は……?!」と思って、でもなろうは観測範囲外だったのでとりあえずこんな作品があるのか、程度に思っていて、少ししたら著者が「ハルヒの後輩になります!」とツイートされていて「スニーカーで書籍化するんだか?!」と衝撃を受けたときから買うことを決意しておりました。

 いやね、わたくしも新人賞やカクヨム秋田県がまるごと異世界サぶっ飛ぶお話を書いていたので、なんというか仲間意識とライバル意識でこねこね状態になっていて、ずっと気になっていたんですけど、まったくベクトルの違うご当地異世界でちょっと安心すると共に、秋田県異世界にぶっ飛ぶお話はそろそろ完結しよう……と覚悟できました。

 

 本題に入ります。このお話は、アオモリ訛りがきつすぎてギルドを追放されたオーリン・ジョナゴールドという明らかに青森県産の魔導士と、通訳スキルを持った新人冒険者ジーナ、及びフェンリルのワサオが無双するお話です。

 いや、東北の民以外に通じるのこのネタ……? というようなネタがドンドコドンドコ出てくる、ひたすらゲラゲラ笑えるやつでした。ツルタはげます会とかベニーランドとか蔵王キツネ村とか……そしてオーリンの使うツート(チート)魔法が、寒冷地特有のなるべく口を開けない短い言葉、つまり津軽弁なわけです。「ウルガス」で水が出たときは噴きそうになりましたし、「オヴァン・デス」には大爆笑してしまいました。

 かやきがおいしいけどしょっぱいとか独眼竜がそのまんま独眼竜だとかワサオがアジガサワだとか八戸のイカだとかとにかく枚挙にいとまがない。そしてレジーナの江戸っ子気質ならぬ王都っ子気質にも笑わされました。

 どうやらわたしの住んでいる秋田県北部の言葉と津軽弁は近いようで、「この『ややや』というのはここでいう『にゃにゃにゃ』かな?」とか思いながら読んでおりました。溢れ出る東北愛、青森愛にはもはや脱帽です。

 テレビで昔えねっちけーのアナウンサーに日本一難しい方言はどこか、と聞いたとき、「沖縄と青森が同率首位」と言っていたのを思い出しました。津軽弁、破壊力がすごいです。オーリンのセリフは読みやすく書いてあるので東北の民でなくても分かるかと思いますが、作中に登場する固有名詞などでちょっとでも気になる分からない単語があったらググってみるのをお勧めします。ぜったい面白いので。

 いやはやなんともはや、津軽からヤベェ本が出たな……と思いました。追放チートもの、ちゃんと読むのは初めてだったんですけど、こんなおいしい味付けのやつが初めてでよかったと思いました。サクサク読めて爽快です。面白かった~!!!! 発売日に本屋さんに運んでくれたイーホンくんありがとう!!!!

 

 年末ですがまだまだ本を読めそうです。いい年末だぁ~!! 面白かったです、オススメです!

剣と魔法の税金対策6(SOW著)の感想

 はあ……すんげえものを読んだ。

 コミカライズの試し読みを読んで原作を大人買いした作品もついに最終巻です。人生初の電書でビビりながらダウンロードして読みました。超絶面白かったっす。

 いや、なんというか、電書でも最終巻を出してもらえてよかった……と思える作品でした。メイつよい。ブルーやさしい。クゥ頑張った。ゼオスも頑張った。

 いろいろ税にかかわるネタを練り込みながら、いままでの伏線を次々回収するのはすげえの一言です。あの表現ここに繋がるんだ?! というのがてんこ盛り。面白かった〜!!

 5巻のラストが衝撃的だったので、「いやこれ繋がるお話あるん?!?!」とかちょっと思ってたんですけど、その心配は無用でした。すごいぞやっぱり。個人的に愛天使さまの伝説がいかにもでよいです。

 罵倒できないクゥとか本性の出るゼオスとか、気合いで呪いの装備を無効化するメイとか、とにかく笑っちゃうんですけど、シリアスな展開をこうやってコミカルなノリで進めるのは今年の大河ドラマを思わせます。あと税金を重くすると村人が逃げちゃうのは「おんな城主直虎」で観たやつだ……と思いました。

 そうだよ時代は大減税だよ!!!!と思いながら読んでおりました。経済に詳しくなれちゃうすごいラノベだ……やはり中学校の図書室に置いていくべきラノベだと思うんですけど、電書だとそうはいかないのでやはりアニメにしてえねっちけーEテレの土曜夕方に流すべきではないでしょうか。

 最後の大円団ぶりがすごくて泣きそうになりました。死とすら戦うメイすごい。お話のなかで大魔王になってしまったクゥの作戦とか、それを助けようとするメイやブルーがとてもよくて。戦った結果があの大円団だったのですね……。

 邪神の生まれた理由がつらい、その邪神と対決するクゥがかっこいい。わたくしなんだか情緒不安定になって書いてますが結局言いたいのは面白かったということです。

 本当に続きを出してもらえてよかった。最近のラノベ、簡単に打ち切りにされがちなので、こうやってちゃんと終われてよかったです。本音を言うと紙の本を本棚に並べたかったのですが。

 しかしこれ以上の結末はなさそうな結末で、これならいいか、と納得できました。

 

 あと電子書籍って読んでる早さを分析して一章読み終わるのに何分かかるか予想してくれるんですね……。

 これから電書だけで出るラノベが増えたりするんでしょうか。なんにせよラノベ業界が潤うことを祈ってやみません。

 

 面白かったです、オススメです!

公務員、中田忍の悪徳5(立川浦々著)の感想

 やべえ本読んだ。

 アリエルちゃんが表紙でひとりぼっちになっている衝撃的な表紙と同じ、衝撃的な内容でした。まあ毎回衝撃的なんですけど、このシリーズは……。

 今回はアリエルちゃんが外に出て、中田忍の学生時代の仲間であるトビケンのみなさんとバーベキューしたり、みんなで魔法少女アニメを観たりする楽しい展開から一転、アリエルちゃんの過去が語られます。というか、アリエルちゃんがそれを語る語彙を手に入れて、自ら過去を語る……という展開、すごくショッキングでした。

 このアリエルちゃんの過去が前提となって、アリエルちゃんが中田忍たち人間を大事な友達や家族と認識している展開がとてもよいです。異世界エルフ関係者唯一の未成年者である環ちゃんが、子どもだからこそできる手段でアリエルちゃんを救おうとする展開熱すぎませんか。

 あと中田忍がどんどん人の心を得ていくのもなんというか胸が熱い。そして少しだけ語られる中田忍の不穏な過去。この先のストーリーで中田忍自身の過去も表に出るのでしょうか。怖いけどすごく楽しみです。なにがどうなったら中田忍が出来上がるのか大変気になる……。

 そろそろ勇気を出してこのラノ開くか……と思えてよかったです(なんとまだ開いていないのである!)。

 

 で。

 この「公務員、中田忍の悪徳5」が発売になった2022年12月20日は、わたくし金澤の33歳の誕生日でして。

 いままでタメだった中田忍の年齢をアッサリ追い抜いてしまったなあ……と思っていたら5巻の中で中田忍の誕生日が来てまたタメになりました。なんだこの中田忍との縁。

 あとすごくどうでもいいんですけど義光のいにしえのインターネットしぐさが年齢を直視させられて「ひい」ってなります。義光、ふつうにしゃべれば常識人なのになぜチャットになると顔文字を連打するのか。それでマイルドになっていると思っているのか。それから魔法少女のくだりの挿絵の一ノ瀬さんはかなり「おわ?!」となって衝撃的なのでみんな読んで。

 見開きでイラストになっているアリエルちゃんの過去、悲しすぎて震えました。みんな読んで。面白いから。

 それからトビケン、いまやってる朝ドラ「舞いあがれ!」の人力飛行機編を思い出します。人力飛行機編のみんなみたいに中田忍が人力飛行機やってたのかな、と思うと微笑ましい。中田忍みたいに一枚も笑っている写真がないのはどうかと思うんですが……。

 

 さて、頑張って人生初のガチ電書(青空文庫アプリはノーカンですよね)の「剣と魔法の税金対策」最終巻を読まねば。読み終わったらすぐ「じょっぱれアオモリの星」が出るぞ。まあことし中に本屋さんに入るかちょっとわかんないですけど。

 今年も余裕があったら読書の振り返りをしたいなあ。200冊行くかどうかのチキンレースなんですけど。

 中田忍5巻、面白かったです。続きが楽しみだなあ。