めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

裏世界ピクニック8 共犯者の終り(宮澤伊織著)の感想(微ネタバレあり)

 マジでバチクソやばいものを読んだ。

 前の巻で鳥子の目的が失われ、鳥子は空魚に告白して空魚は答えに悶々と悩む……というお話です。なんというか……すごかった。

 極力ネタバレなしで書こうと思います。二人の行き着く先、それはあなたの目で読むのです。絶対いいから。絶対言葉を失うから。絶対読み終わったあと茫然自失するから。

 

 空魚はいろんな人に鳥子との関係の相談をするんですが、その途中に出てくるなっつんとカラテカちゃんの関係が大変よろしいでした。そして新登場の辻さんがなかなかヤバい人でたいへんよいです。あと霞ちゃんのワードサラダに笑ってしまった……。

 今回は「ムジナ」という怪異に空魚が出くわします。のっぺらぼうの鳥子が現れたりして、夜に読むとなかなか怖い前半戦となっております。空魚が自分の鳥子に対する気持ちの正体に気づくシーンとか「えっぐ……」となります。

 そしてムジナに化かされるのはもういやだ、と空魚のとる行動がいいんですよ、すごくいいんですよ、とてつもなくいいんですよ……。

 ガチの百合が突撃してくる内容ではあるんですけど、なんだかいいものを読んだなと思います。愛はよい。ただ親には読ませられない。

 とにかく面白いからみんな読んでくれ、保証する。裏世界のあとは打ち上げだ!

 

 百合とSFって相性がいいんだなあとガンダム水星の魔女を観て思っていたのですが、元祖百合SFはこっちでした。今回はちゃんとSFしてるのに女の子同士の激重巨大感情のぶつかり合いで、ある意味水星の魔女のフレッシュトマト事件なみに生々しくてショッキングかもしれません。

 でも「生々しい」でくくっちゃいけないというかなんというかこう(ろくろを回す)……。

 それはそれとしてベラボーに面白いからみんな読んで、そして巨大感情のぶつかり合いにやられて。

 そして最後のやつは最初からこれをやる予定で二人の名前を決めたのでしょうか。だとしたら作者半端ねーわ……と思います。

 

 とにかくめちゃめちゃに面白かったっす。なにを言ってもネタバレになっちゃうのが辛い。当たり障りのない話しかできないけどとにかく面白いから読んで。1巻からぜんぶ読んで。裏世界ピクニック、マジでリアルでガチの傑作という評価が心の中に海賊漫画の描き文字のごとく\ドーン/ってなりました。

 夜に読んでて読み終えて、ツイッターで読了報告をすることすらできずにこうして感想を書いております。面白いからみんな読んで。凄まじき百合だぞ!

 

 面白かったです。おすすめです……もちろん既刊を読んだ上で。