めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

じょっぱれアオモリの星(佐々木鏡石著)の感想

 すこたまおもへぇ本コ読んだ(すごく面白い本を読んだ)。

 最初にこの作品とエンカウントしたのはいつだったか。ツイッターになろうの紹介文がドンドコ流れてきて、「なんだこのヤベェ作品は……?!」と思って、でもなろうは観測範囲外だったのでとりあえずこんな作品があるのか、程度に思っていて、少ししたら著者が「ハルヒの後輩になります!」とツイートされていて「スニーカーで書籍化するんだか?!」と衝撃を受けたときから買うことを決意しておりました。

 いやね、わたくしも新人賞やカクヨム秋田県がまるごと異世界サぶっ飛ぶお話を書いていたので、なんというか仲間意識とライバル意識でこねこね状態になっていて、ずっと気になっていたんですけど、まったくベクトルの違うご当地異世界でちょっと安心すると共に、秋田県異世界にぶっ飛ぶお話はそろそろ完結しよう……と覚悟できました。

 

 本題に入ります。このお話は、アオモリ訛りがきつすぎてギルドを追放されたオーリン・ジョナゴールドという明らかに青森県産の魔導士と、通訳スキルを持った新人冒険者ジーナ、及びフェンリルのワサオが無双するお話です。

 いや、東北の民以外に通じるのこのネタ……? というようなネタがドンドコドンドコ出てくる、ひたすらゲラゲラ笑えるやつでした。ツルタはげます会とかベニーランドとか蔵王キツネ村とか……そしてオーリンの使うツート(チート)魔法が、寒冷地特有のなるべく口を開けない短い言葉、つまり津軽弁なわけです。「ウルガス」で水が出たときは噴きそうになりましたし、「オヴァン・デス」には大爆笑してしまいました。

 かやきがおいしいけどしょっぱいとか独眼竜がそのまんま独眼竜だとかワサオがアジガサワだとか八戸のイカだとかとにかく枚挙にいとまがない。そしてレジーナの江戸っ子気質ならぬ王都っ子気質にも笑わされました。

 どうやらわたしの住んでいる秋田県北部の言葉と津軽弁は近いようで、「この『ややや』というのはここでいう『にゃにゃにゃ』かな?」とか思いながら読んでおりました。溢れ出る東北愛、青森愛にはもはや脱帽です。

 テレビで昔えねっちけーのアナウンサーに日本一難しい方言はどこか、と聞いたとき、「沖縄と青森が同率首位」と言っていたのを思い出しました。津軽弁、破壊力がすごいです。オーリンのセリフは読みやすく書いてあるので東北の民でなくても分かるかと思いますが、作中に登場する固有名詞などでちょっとでも気になる分からない単語があったらググってみるのをお勧めします。ぜったい面白いので。

 いやはやなんともはや、津軽からヤベェ本が出たな……と思いました。追放チートもの、ちゃんと読むのは初めてだったんですけど、こんなおいしい味付けのやつが初めてでよかったと思いました。サクサク読めて爽快です。面白かった~!!!! 発売日に本屋さんに運んでくれたイーホンくんありがとう!!!!

 

 年末ですがまだまだ本を読めそうです。いい年末だぁ~!! 面白かったです、オススメです!