めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

公務員、中田忍の悪徳6(立川浦々著)の感想

 お久しぶりです。またすげえもんを読んだぞ!

 いやあ今回も大変面白かったです。お祭りで浴衣や無人島探検と、ライトノベル度数高めな内容にも関わらず、相変わらずの中田忍!!!! でした。とにかく大変面白かったです。

 「耳神様」を知っていた認知症のお爺さんと出会ったのがきっかけで、とある島に調査にいく……というのが主な内容なのですが、出かけるにあたり車をアリエルちゃんが運転するんですよ。アリエルちゃん、環ちゃんと一緒にアルバイトしちゃうんですよ。このブログ書いてる人間より社会に適応しちゃうんですよ。すげえです。

 アリエルちゃんがこれからどうなるのか、とてもとても楽しみでありながら、無人島探検に至る前に訪れた広島の毒ガス資料館や原爆ドームで、人間が仲良くできないことについて語る中田忍がせつないんですよ。それから前の巻でも匂わされていた中田忍の過去がせつないんですよ。中田忍……! ってなっちゃいます。

 あとレトリックが面白くて付箋だらけにしてしまいました。すごく笑えるところもちゃんと用意してあって(鮮魚売り場の親方とかキレる一ノ瀬さんとか)、緩急自在だ……と思いましたです。

 最後に特大の爆弾が仕込まれていて、これは続きに期待するしかないではありませんか。しかし今回はめずらしくあとがきを最後に読んだんですけど、もう物語は終盤に入っているようで、「うそだろ……?!」となっております。これから「耳神様」や「ナシエル」がどう料理されるのか、とてもとても楽しみです。

 なにより人間の醜さを、中田忍の庇護の下にいたせいでぜんぜん知らなかったアリエルちゃんがせつない。中田忍は自分を悪役にするのが上手いんですよ。でもだんだんと、人間味みたいなものが染み出てきたのがいいなあと思います。

 あと中田忍が意外とグルメ、というのがとても面白かったです。自分で凝った料理をよく作っているので料理が好きなんだなーくらいに思ってたんですが、外食するときもおいしいお店を熟知しているのが意外な一面として描かれててよかったです。

 

 さて、今回もイーホンくんが頑張ってくれたので、この作品と「魔女と猟犬4」を発売日にゲットできました。ガガガは本当にいい本を作っている……。「魔女と猟犬4」も頑張って読もうと思います。

 それからそのうち叔父上からゴッソリ借りたオーバーロードの話もしたい。いやあ読書って本当にいいものですねー!!!!