すげー本を読んだ。
三体シリーズの前日譚、というワクワクするお話が出版されたというだけでしばらくウキウキしていて、ようやっと図書館に入ったので借りて読みました。面白かった〜。
このお話のヒロインの林雲さんがすごく、すごく危うくて、やべえ女だ……となりました。でも三体シリーズの女の人はだいたいみんな危うくてやべえ人だな……。とにかく林雲さんの魅力がすごいんですよ、だんだん常軌を逸してくる彼女の兵器への執着がお話を進めていきます。
主人公の陳は球電という現象を研究する科学者で、彼が軍人の林雲さんに出会い球電を兵器として活用する道を探る……というなかなかやべえお話です。三体本編に登場した丁儀さんも出てきてやべえ度数が上がっていきます。
いや、球電を起こす条件になるとあるものを見つけた瞬間がやばい、そこから展開される話がやばい、ラストがやばい。まさかそこからあの現象起きるの???? という感じです。
最初はなんだか地味だなーって思いながら読んでたんですけど、ぜんぜん地味じゃなかった。すごかった。物理はぜんぜんわかんない(そもそも習ったことがない、中卒なので)んですけど、オタク界隈にいるのでシュレディンガーの猫についてはある程度聞いたことがあって、まさかここでこのお話に使う???? となりました。すごかったっす。
そして序盤に出てきたあのキャラクターがここで?! ともなるのが嬉しかったです。いやあいいものを読んだ。
面白すぎてクラクラしました。あっという間に読んじゃった。一気読みが吉です。
読んでる間、「丁儀さんって三体のどのあたりに出てきたんだっけ……?」って考えてたんですけど、役者あとがきにちゃんと書いてあって「ここかー!」と納得及び理解できました。「三体 登場人物」でググっても出てこないんだもん丁儀さん。
なんというか、筒井康孝の長編SFみたいな味がしました。初めてSFに出会ったときのワクワクが思い出されます。しかし聖書から引用して劉慈欣先生は当局に捕まらないんだろうか。
新概念兵器の話はいまの戦争が起きたりあちこちきな臭い雰囲気になっている時代に読むと「ヒィ」ってなるんですよね……。すげえわこれ。面白かったです。劉慈欣、やはりやばい作家だ。
知り合いに三体シリーズを勧めたら「えー中国の言論統制下で書かれたやつでしょ? そういう思想のやつは読みたくないなー」って言われて地味にショックを受けたんですけど、偏見で本を読まないのは損だと言いたい。みんな! 三体おもしろいよ!
面白かったです、オススメです!