めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

映像研には手を出すな! 8巻(大童澄瞳著)の感想

 あやうく買い忘れるところでした。新刊情報アプリ、通知してくれ~!!!!

 ビスコ新刊で舞いあがってて漫画の新刊アプリをしばらく見ていないうちに新刊が出ておりました……いまさらですが感想をば。

 まずはソワンデ書記がいい。書記が映像研のために戦ってくれる展開、たいへんよいです。むしろ生徒全員が映像研の味方なのもたいへんよい。

 というか大人どもがとにかくわかりみの深い嫌なキャラなんですよね、「高校生だから青春を」とか「アニメは子供が見るものだから流血はだめ」とか。大人な~! と、大人の勝手な価値観を押しつけてきて、映像研の作品から流血表現を削除させようとします。

 それに対して映像研が「中二病」「グロテスク」でない「ただの血」を目指そうとがんばるのがとてもいいです。その通り、細かい部分をつつかれない作品を目指すというのは大正解だ……と思います(ライトノベルの新人賞一次落選でももらえる選評で「そこつつく?!」となっていたので)。

 「観てみたいなら観るとよいです。観たくなきゃ観ない。アニメって、そういうもんじゃし。」という浅草氏の言葉通り、アニメは観たい人が観ればいいのです。嫌いなら観なきゃいいのです。どんなコンテンツでもそれは言えると思います。浅草氏すごい、真理だ。朝ドラのアンチタグでXにポストするやつに聞かせてやりたい。

 テレビ局がやってきて密着してくるエピソードも、もともとある「部活青春モノ」のテンプレートで撮影しようとしてスタッフがそのおかしさに気付くのがいいです。青春というのは大人があとから考えるものであって若者当事者は頑張って生きているだけなのです。

 そして芝浜高校の正体がちらりほらり分かってくるのもとてもいい。次の巻では芝浜高校を舞台にアニメを作るんですね。とても楽しみです。忘れずに買おうと思います。自戒を込めて。

 いやあ面白かった。みんなのゆるい顔がかわいい。あとおまけのネームが概ね文字だけなのがすごいなあと思うなど。たぬきは正義。

 しかしこういうのを読んじゃうとやっぱり「アニメ二期を……アニメ二期……アニメ二期ほしいよ~」になっちゃいますね……。あの浅草氏のハスキーボイス好きだったんですよ。「ひよっこ」の米子。さいり(漢字が出なかった)ちゃん、来年の春からの朝ドラ主演するから厳しいかな……。

 映像研、どんどん加速度的に面白くなるすごい漫画だ。傑作じゃん……。よし星雲賞受賞させよう。

 なにより問題児として育った人間からすると、大人たちに反撃する展開がひたすらまぶしいのです。面白かったです、オススメです!