めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

【番外編】君たちはどう生きるか観てきた!(8/18追記)

 宮崎駿の原液を浴びてきました。いやあ面白かった。すばらしい映画でした。あの年齢でこれだけ創造性豊かな世界を生み出せるというのは、人生残り五十年くらいになった人間としては大変安堵するとともに、のちの世界の人間はあれを乗り越えねばならないのか……というプレッシャーもものすごかったです。いや自分を宮崎駿と比べるのがおかしいのだけども。

 ツイッター(もうXですかね)でもネタバレが徹底的に避けられているので、あまり具体的な内容に触れるつもりはないのですが、宮崎駿の大好きなものをぎゅっと詰め込んだ(のであろう)お話でした。いままでの宮崎駿作品に出てくるやつ(壁を登る、階段が壊れる、ドロドロしたなにか、強い婆さん、食事のシーンなど)がいろいろ出てくるのは「宮崎駿だ……」という安心感がありましたし、いわゆる三幕構成とかハリウッド式脚本術とはぜんぜん違う仕組みで組み立てられているのではないだろうか、と思うなどしました。

 あとペリカンとインコの圧が強い。鳥恐怖症のひとはやめておいたほうがいいかもしれません。でもインコ大王が好きです。それから婆さんがワラワラ出てくるところとか、ちょっと千と千尋の神隠しに似ていたかもしれません。

 主人公が自分の本質に気付くシーンがとてもよかったんですよね。あと主人公の声が菅田将暉(8/18追記へ)で、ちょっとだけ朝ドラ「ごちそうさん」を思い出しました。ヒロインの息子の役で出てたあれ。まああの朝ドラ、ほかの出演者のごたごたで印象変わっちゃったんですが……。

 演者さんといえばエンドロールを見ていて「え?! この人どこ出てた?!」という生身の俳優さんがずらりだったのも印象深いところでした。滝沢カレンどこに出てたんだ……。

 なんというか、良質な児童文学のような話でした。これは子供さんに見せてあげたい。難解なところが少なくてワクワクできるお話で、もっと子供さんが見にいきたくなるヴィジュアルとかコピーとかコマーシャルとか用意すればよかったのに、と思ったりもしました。

 これが宮崎駿の遺言なのか、はたまた「わしゃまだまだできるぞいイッヒッヒ」なのかは分かりませんが、やはり宮崎駿の想像力は尋常でない。すばらしいものを観ました。

 

 それはそれとして流行りの映画を観にいくのに片道一時間かかるのいい加減にせえよ。まあ例によって連れてってくれた叔父上と車のなかで「ガンダム水星の魔女」の話でめちゃめちゃ盛り上がったのですが。叔父上はガチのガノタかつガチのミリオタなので、「水星の魔女」でテロリストの扱いが甘すぎる、と語っていました。シャディクは極刑もありえるぞと言っていたのが印象深いです。叔父上は士郎正宗の「アップルシード」が好きなので、「テロリストに人権はない」というセリフを持ち出してきて(書物の内容をさらりと覚えている……!)とビビったりしました。

 映画を観にいくだけで県境をまたがねばならない僻地の民ですが、今年は例年になく映画観てるな……と思っています。まあこれで三本目だからどれだけ映画に縁遠いんだという話ですが。

 

 面白かったです!

 

 8/18追記

 えー、きょうになってこの映画のキャストが公式に発表されまして、主人公の声が主人公と下の名前が同じ人で、菅田将暉アオサギであることがわかって「まじかよ」となっております。どんだけわかんないの……。それから滝沢カレンの役が分かってすっきりしました。

 たぶんジブリ映画が声優さんでなく俳優さんを声に起用するのは声でイメージが決まらないからじゃないかと思いました。