めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

プリニウスⅫ(ヤマザキマリ/とり・みき著)の感想

 すげえ漫画を読み終えた。

 10年かかって着地した古代ローマの「元祖・台風の日に水路見にいっちゃうおじさん」の冒険譚、ついに最終巻です。いやあ面白かったっす。

 まずは懐かしいひと大集合なのがよかった。キャベツのひとが皇帝になってたりフェリクスさんが相変わらず武闘派だったりプラウティナとその子供も元気そうで、とにかくよかった。猫のガイアも出てくるよ! 超ご長寿猫だ! あの謎の子供が大人になって出てきたのも大変よかったです。

 みんな歳をとってましたが幸せそうでよかったです。もちろんウェスウィウス火山が噴火して大変なことになるのですが、プリニウスとにかくぶれない。家族を逃がして、それでもウェスウィウスの様子をエウクレスに記録させます。本当にこの人は最後まで「元祖・台風の日に水路見にいっちゃうおじさん」だったのだなあと……彼の最期のシーンが本当によかった。博物誌に書かれた奇妙な生き物たちは、彼の中では間違いなく存在していたわけですね。いやあたいへんによかった。

 この物語で好きなのはやはり地中海から南のあたりを冒険するお話なのですが(ミノタウロスとか謎の機械とかのあたりが特に)、一方でネロとポッパエアのドロドロした関係とか初期のキリスト教徒が迫害されるあたりとかの歴史ロマンとしてもたいへん面白い作品でした。よし、えねっちけー土曜深夜の枠でアニメ化しよう。

 

 思えばこの作品の感想をここに書くたびに公式ツイッターリツイートされて「エゴサやべえな?!」となったり、そのうえこのブログの内容を引用してもらったり、とにかく楽しかったなあと思っております。

 本当に面白かったです。巻末の対談までばっちし面白い。共作って大変なんだなあ……とソロでラノベワナビをしているわたくし、しみじみ思いました。

 というかきょう(2023/7/10)はラノベワナビの祭りである電撃大賞一次選考通過発表の日でして、そのプレッシャーから逃げるべくプリニウスを読みブログを書いております。いやあ面白かった(そう言って現実から逃げる)。

 プリニウスは間違いなく「人生で出会えてよかった漫画」だと思っております。いやあ傑作じゃった。大プリニウスという男の生涯、しかと見届けました。小プリニウスって大プリニウスの甥ですよね、小プリニウスもそういう人になるんだろうなあという描写もたっぷりあって余韻が素晴らしかったです。

 

 未読のひとはいまからでも遅くないから全巻買って読もう。面白いから。

 とにかくバチクソに面白かったです。みんな読もうな!