やべえ本を読んだ。毎度ブログを書くたび言ってる気がしますがマジでやべえ本を読んだと毎回思ってます。
お人好しのおじさんたちが謎の無人島であにまるたちと暮らす奇書もといライトノベル、新刊が知らないうちに出ていました。知ってたらイーホンくんでポチって初動に貢献できたのに……ヒーロー文庫さんは公式サイトの見にくさがぶっちぎってるので、諦めてツイッターのほうをフォローしました。
すごかった、なにがすごいってこの世界観の練られぶりがすごい。1巻を読んだときはディストピアものだと思ったくらいあにまるたちの設定が掘り下げられているのですが、その上で「この世界と現実の世界」の違いが浮き上がってくるというか、「この世界にあるもので現実世界のものの代用をする」という設定にみごとにやられました。
冷奴とか唐揚げのくだりが特にそうなんですけど、この世界にあるもので現実世界のものの代用をする、というのが今回のメインのようです。家を建てるくだりもそうか。とにかくいろいろ考えて行動するおじさんたちとあにまるたちが楽しそうでよいです。
あと木林さんがラノベの主人公でした(いや主人公でこそないもののラノベのキャラなんだが)。木林さん、すごい人だ。ただのオタクのおじさんじゃなかった。木林さんのイケメンぶり、素材の料理のしようなんだなあ……と思います。
あと山太郎さんがキレるとただのワガママ爺さんになるくだりが大変良かったです。27年計画……。山太郎さん、おじさんたちのなかでは技術職なんですが、ワガママ爺さんになるくだりに本性を見ました。キャラクターが全員作り込まれていて面白いです。
ストーリーのメインの部分では、レアなあにまるであるパンダを島の仲間にしよう! というのが大きいのですが、しかしパンダの背負ってしまった宿命がせつない。パンダ、いままで心を許せる仲間がいなかったんだね……。
おじさんたちがあにまるたちの幸せを考えて動いているというのが非常にすばらしい。突如始まる国語の授業の内容、太宰治が読んだらゲラゲラ笑うと思います。あとレンタルビデオというネタのチョイスがおじさんらしくていいと思います。
他の島と同盟を組むアップデートとか、システム周りもいろいろ面白いです。やっぱりこの世界はゲームの中なのかな……? しかしおじきち、本当に仕事が雑だ。
最後にすごいヒキを残して終わったので、続きが楽しみです。コミカライズもされるんでしたっけ。コミカライズはともかく、続きを期待して待とうと思います。しかし木林さん……なんて名言を言うんだ……。木林さんめちゃめちゃカッコイイし人は必ずしもチヤホヤされることが幸せとは限らないという話が非常によいのです、いいぞ木林さん。木林さんはマジで愛と善のひとだ。
とても面白かったです、オススメです!