めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

剣と魔法の税金対策(SOW著)の感想

 すんげー面白い本を読んだ!

 これ、最初はあんまし興味がなかったんですけど、著者についてはニチアサ界隈とか歴史ネタがドラマ垢にちょいちょいツイートが流れてくるからすごい人だなーと思っていて、そしたらこの作品のコミカライズ試し読みがガガガ文庫の公式から流れてきて、それを読んでみて主人公メイの銭ゲバぶりがすさまじいのにショックを受けて買ってきた次第です。たぶんコミカライズから入ったら結局続きを知りたくて原作買ってくるのだろうと思ったので……。

 だって二つ名が「銭ゲバ」の勇者ですよ。そうなったのには深い理由があるのですが。そんな銭ゲバ勇者が、お人好し魔王ブルーがお決まりのセリフとして言った「世界の半分をくれてやろう」というのに「え、マジ!? わかった!」となるところからこのお話は始まります。世界の半分をもらい受けようとしたそのとき、税天使が降りてきて「贈与税がかかります」と言うのです。ぞ、贈与税。そして贈与税がかかるとなって偽装結婚をしようと言い出す銭ゲバ勇者!

 要するに読むだけで税金や経済に詳しくなれるすごいラノベです。これ、中学校の図書室にもっとも置いておくべきラノベじゃないすかね。というかそもそも4巻まで出てコミカライズされてるラノベなので、面白くないわけがないんですよね……。

 

 お話は魔王城にかかったとんでもない額の税金をどうにかして安くしなくては、と頑張るお話なのですが、それが単に税金を減らすというだけでなく、魔族の暮らしをよくして人間世界と共存しよう! ってなるのがいいです。魔王城が会社なので社員(つまり魔族)の福利厚生を充実させたりして必要経費として落としたり、公聴会を開いて魔族のために経済をよくしたり、人間世界に交渉して国債を買ってもらったりするのです。もちろん魔王ブルーはすごいお人好しですし勇者メイは脳筋なのでそんなことはできません。

 誰がやるのか、と言いますと、魔王城の奥深くに眠っていた昔の魔王の日記にでてきた「ゼイリシ」という幻の職業の人間にお願いすることになるわけです。その「ゼイリシ」という職業の人間はすでに世界にたった一人、小さい女の子のクゥしか残っていません。そのクゥと、魔王と勇者が頑張って経済を回そう! というお話です。

 

 ラストのビシッと決まったカタルシスがすごくいいですね。悪い奴がコテンパンにのされるのはやっぱり気持ちいいですし、いまこの世の中で言われている当たり前と思いがちなことはぜんぜん当たり前でなくて、という考え方がとてもよいです。

 

 で、面白かったので思いきり経済回してきました。2巻から最新刊の4巻まで大人買いしちゃった。えへへ。いまから読むのが楽しみです。しかし一年で4冊文庫本を書くというライトノベル作家というのはすごいです。ただのニチアサと歴史に詳しい人じゃなかった。

 面白かったです! 続きもたぶんブログ書きまーす。