こいつぁやべえや……などと思いながら読んでおりました。
今回は「冬のルクノカ」に倒された星馳せアルスが、黄都への侵略を始めます。それと戦う修羅や二十九官たちが主役なのですが、今回はツーちゃんとハルゲントさんに泣かされたです。
まずはツーちゃんの生い立ちがやばい。ツーちゃんの出生の秘密、なにを言ってもネタバレになっちゃう……ツーちゃんの背負ってきたものの悲しさよ。しかしツーちゃん本人はあんまり気にしてないというか、そういうものだと思っている……というのがなんともはや。
ハルゲントさんについては彼がワイバーンと戦うことを使命だと思っている理由が明かされます。ハルゲントさん、ただのダメなおっさんじゃなかった。ラストはマジで泣けます。
もちろん他の修羅のみなさんも健在で、ソウジロウの戦いぶりが凄まじい。しかしウハクよ……ウハクが自分のことを話さないのがますます不気味です。あとちらっとメステルエクシルくんの出番もあって嬉しかったですけど、メステルエクシルくん、もうこの路線でいくのかな……キヤズナを「かあさん」って呼ぶのが可愛いメステルエクシルくんは戻ってこないんでしょうか。
個人的にソウジロウが病院で療養しているくだりが好きです。サブフォムさんおもしろい。そんな大ダメージを負いながら超元気。楽しい。ソウジロウとサブフォムさんとハルゲントさんの入院トリオ、なんだかすごく好きです。
そしてクゼさんの使われ方がすごかった。まさかそういう結末になるとは思わなかったよ……。
作中で従鬼(コープス)の検査が行われるのはやはり現実のパンデミックを想起させますね。現実でも危険は、魔王のようなものはじりじりと迫っている。
いやあ面白かった。ちなみにあとがきは安定のパスタのレシピで、部署異動になった担当編集者さんに捧げる豪華パスタでした。おいしそう。
数日かけて読んで、きのうの夜ちょっとだけ夜更かしして最後のあたりを夢中で読んだわけですが、興奮して寝付けなくなるタイプのライトノベルでした。ボリュームたっぷり読み応えぎっしり、たくさんのドラマが詰まっている。
そういえばなんとなくツーちゃんの全裸シーンが多い気がしましたがツーちゃんはお色気要員なんでしょうか。あとクゼさんの「ふへへ」笑いSUKI。
とにかく面白かったです。アルスがそんなヤバい敵になって現れるとは思わなかった。そしてアルスが可哀想で、でもアルスはこう生きたいと思って生きているんだな、と思ってとてもよかったです。
はあ……(クソデカため息)。アルスとハルゲントさんの巨大感情、しかと受け止めました。面白かったです!