めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

鋼鉄城アイアン・キャッスル2(手代木正太郎著)の感想

 怒涛のラノベを読みもうした。

 一巻の熱量も凄まじかったのですが、それを上回る熱量で、読んでてすげー! やべー! になりもうしたでござる。なんこれ傑作か、いや傑作だ!!

 そもそもラノベで時代物風ロボバトルっていうのが流行りに逆行している感があって痺れますね。しかも女の子キャラが増えたものの2人で、全編通して戦国時代の佃煮なんですよ。男ばっかりなんですよ。やばいんですよ。

 とにかく面白いしあとがきに書いてある通りの質感の文章で、見たことのない形容詞がバシバシ出てくるし、カッチョイイレトリックが頻発するわけです。読め、そして震えろ。

 新キャラがぞくぞく登場したのもいいですね。表紙の青い美少女はお市ちゃんです。ただし史実ガン無視の展開なのて要注意です。わたしは「面白きゃいいんだ面白きゃよう!!」って読んでたので気にならなかったですが。お市ちゃん、ばっちりサービスシーンもあって大変けしからんです。

 あと千利休がきれいなケルシンハでした。わびさびの「わび」は「あいわなびぃ」なのです。そして「さび」は……読めばきれいなケルシンハだとわかるので読んでくれ。

 今回は三方ヶ原の戦い長篠の戦いが特に大きいシーンでした。どちらも竹千代がんばれ、の気持ちで読んでおりました。しかし武田信玄の機馬軍団(誤字じゃないんです、城が半人半馬で戦うのです)が出てきたときは頭の中で真田丸のテーマが\てってってってってててってってって/と鳴り響きました。昌幸パッパの名前もあったので草刈正雄さんでイメージしましたね……。名前しか出てこなかったけど。

 それから秀吉についた佐吉の苦悩が実によい。半兵衛さんに敵わない、力がないという悲しみを背負ってしまった佐吉が、ギラギラと竹千代に対する「勝ちたい」という思いを燃やしているのを読むとやはりこの先の展開が楽しみです。

 最後の間接的な竹千代と佐吉の思いのぶつかり合いは非常によかったです。凄まじいカタルシス!! という感じで、二人が魂でぶつかり合うのを感じます。素晴らしき巨大感情だ……。

 あとお市ちゃんの能力、それで疎まれて感情が消えてしまったのだなと切なくなります。そしてさやかちゃんが今回もいい仕事ぶりでした。ヒロインも魅力的なんです、すごくいい。

 ついでにいうと山中鹿之介が登場したとき「駅伝走ってた宇宙人だ……」と思ってしまいました。つるみ犬丸先生のデビュー作ですね。

 とにかく面白かったです。文体の癖がすごいので賛否ありそうですが、わたしのなかでは傑作認定です。付箋貼りまくってしまった……。

 

 来月は久々のつるみ犬丸先生の新刊とか「公務員、中田忍の悪徳」の4巻とか楽しみな本があるので、いまからワクワクしてます。

 読書はいいぞ。「鋼鉄城アイアン・キャッスル」シリーズ、オススメです。