めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

剣と魔法の税金対策5(SOW著)の感想

 すごすぎて語彙が行方不明ですがとにかく書いてみます。これを読みました。

 実はこれ、手に入れる前の日に我が家の猫氏が旅立ってしまって、それでもネットでポチって本屋さんに届いているので頑張って買ってきて頑張って読んでたんですが、悲しい状態でも面白い本は面白いんだな……と思ってしまうくらい面白かったです。いや悲しいですけど……。

 このシリーズ、中学校の図書室に置いておくべきライトノベル、だと思っていたのですが、えねっちけーEテレで土日の夕方の時間帯にアニメ化して流すべきだと考えを改めました。税金や経済だけでなくいま盛んに言われる「自助・共助・公助」にいたるまで説明され、貧困への対策をどうするかまで描いたすさまじい作品です。

 今回は邪竜卿さまが可愛かったです。拙者、歳経た偉大な異種族が人間の姿だと子供になってるの大好き侍と申す。なんとなくトリブラのイオンみたいだなあと思いました。あとドラゴン族VS勇者メイの大酒飲み勝負とか。邪竜卿さま、自分の種族に対してクールでいいです。あと「バッファリン」という魔法が出てきて著者は頭痛持ちなのかな……とか思いました。

 

 本編としては、大神殿が大規模な資金洗浄をしているかもしれない! クゥとゼオスで調査だ! というお話なのですが、神官長ポエルがまあやばかったっす。いっけんすっごいいい人なんですけど、それは自分のためにやっている、という最悪なひとです。そして税悪魔ノーゼがやっぱりからんでいて、最悪にもほどがある、というか。

 ほんとね、ラストは度肝を抜かれますから。続き、ぜったい読まなきゃいけないやつです。いつかなあワクワク……でもどうなるのかなあドキドキ……コミカライズやオーディオブックになってるから続きが出ないことはないと思うのですが、続きがとにかく無事に出てくれとしか言いようがないっす。

 ほんとにね、どれだけ知識があればこれだけのものが書けるんですかね。税務調査に入られたので書いた、と一巻のあとがきにあったのですが、しかしそれにしたって税金と経済のシステムをどれだけ調べて書いたんでしょうか。そしてどうやって「剣と魔法」に融合することを思いつかれたんでしょうか。ライトノベルは話が進めば敵も味方も増えていくものですが、今回のラストはすごすぎましたわ……。

 

 今回の見どころはゼオスと認天使カサスのバトルですかね。これは痺れました。王道の展開もキッチリ押さえてその上でお金の話として描いている、やはりこれはすごい。傑作ですよ。全国の中学校の図書室に置いて、そのうえでえねっちけーEテレ夕方のアニメ化まで見えますもん。痛快で楽しい展開でありながら、税金のことがきっちり分かる素晴らしいライトノベルです。いやラストがすさまじいどん底なんですけど……。

 なにやらいろいろ伏線ぽいものも仕込んである感じがします。たぶん次の巻からが本番。面白かったです!