めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

はたらけ!おじさんの森(朱雀伸吾著)の感想

 なかなかの怪作でした。

 いや、発売当初は完全にネタだと思ってスルーしてたんですよ。で、いつまで経ってもいつもの書店のラノベ平積み台からなくならなくて、通りかかるたび気になる値が上昇しまして、3月のライオン新刊買いに行ったときもまだあったので買って帰った次第です。

 で、読んでみて「ネタじゃなかった……ネタだけど……」となりまして、こうしてブログを書いております。やられた〜。

 

 発売からずいぶん経つのでネタバレ砲発射します、ご注意くださいませ。

 このお話に出てくるおじさんたちは、みんなめちゃめちゃいいおじさんでして、いい人すぎて「あつまれ! あにまるの森」というゲームを買い逃したおじさんたちです。そんなおじさんたちに、おじきちを名乗る神ジャージのおじさんがなにやら怪しげなゲームをくれるのですが、それを起動するなり謎の無人島に飛ばされて、二足歩行する動物であるあにまるたちと暮らすことになります。

 そのあにまるたちの設定がなかなかのディストピアで、それもかなり深く掘り下げたディストピアなんですよ。ネタだと思ってたらまさかの展開でヒェってなりました。

 で、その世界では人間の「わかもの」に虐待され酷使されているあにまるたちと、おじさんたちの友情がめちゃくちゃアツいのです。オタクのおじさんである木林さんとスズメのあにまるのチュンリーのコンビが死ぬほどかわいい。みんななにかしら得意なことがある中一人何もできないと凹んでいる木林さん、実は内面がイケメンで、しかも隠し要素を無自覚に次々クリアするという凄まじいキャラクターなのです。

 木林さんの活躍はともかく、主人公の進さんは人の才能を見抜いて適材適所に配置するスキルがチートですし、金髪のショップ店員おじさんである秋良さんとブタサブロウもなかなか楽しそうに魚を釣ったりしています。建設業おじさんである山太郎さんは家を建てるのが得意です。

 そんな面々が働き、ビールを飲むお話です。ラストはきっちりカタルシスがあります。わかものたち、ぜつゆる……。

 

 このラノベの何がすごいって会話文を読むのがむちゃくちゃ楽なんですよ。おじさんたちがすごくキャラが立っていてとてもわかりやすい。しかも会話が小気味良い!

 あとおじさんたちがあにまるたちにすごく優しいのもいいです。あにまるたちはまだ子供で、おじさんたちは「子供は守るもの」と認識しているのがとてもよい。

 

 すごく面白かったのでツイッターで感想漁ろうとしたんですけど、公式の記事と著者のツイートと「買ったから読む」ツイートと電書セール情報しか出てこなくていにしえの(´・ω・)の顔文字になっていたです。みんな読んでくれ、そして木林さんのイケメンぶりに惚れてくれ……。

 これナンバリングされてるけど続刊あるのかな。読みたい。

 面白かったです、オススメです!