はい、すごく面白いラノベを読みました。
ヤバい相手とのバッチバチのバトルがギッシリの、超熱くてダークなバトルラノベでした。
前の巻で文字通り骨を抜かれてしまったゴッドフレイ先輩の骨を奪還するお話です。骨を集める魔人・リヴァーモア先輩の作った、地下にある死者の国を舞台に、オリバーたちが戦うのですが、電撃文庫は物理的に体の中のものを奪われるお話が好きなんですかね(錆ビス2巻の胃とか)。
そしてこのシリーズのお約束、悪いやつにも理由があるという設定がよいのです。リヴァーモア先輩は家に伝わる棺桶の中身を復活させるために骨を集めてたんですが、棺桶の中身は古代のネクロマンサーなのです。復活させて古代の技術を知ることが、リヴァーモア家の目標なんですが、しかし棺桶の中身のファウちゃんがよく喋ってかわいいのです。そんなかわいい子を復活させるためならそりゃ頑張りますよね。
あとこの巻はレセディ先輩とティム先輩がすごくいいです。レセディ先輩はいい先輩でオリバーたちの味方だし、ティム先輩の男口調の女装男子って設定ドツボなんですが。ティム先輩、ヤバい毒が武器なのとてもいいですね。猛毒! って感じです。
学園の地下に広がる迷宮が古代文明の遺産って設定とか、ラストバトルの前の「世界を作る」とか、発想が異次元すぎてしびれました。死者たちが街を作って暮らしてるとことか……すごく深い。よく練って書かれたものだなあ、と思います。当たり前だ書店に並ぶ本だもの。
ラストバトルが凄まじく白熱していて、それを始めたオリバーの思いが熱いのです。この物語の世界の残酷さを物語るラストバトルなのですが、しかしそれと戦うと決意するオリバー。泣ける。オリバーは芯から魔法使いだ……。
第一印象は「物騒なハリポタ」で、シェラちゃんのあのシーンで「物騒で色っぽいハリポタ」だと思っていたわけですが、しかし他のお話を例に出さなくても「七つの魔剣が支配する」というお話を押し出してきたなあ、と思います。
ヤバい敵との熱いバトルはやはりラノベだ。ラノベのすごくレベルの高いところを攻めている。そう思いながら読みました。
あと今回もユーリィくんの元気で好奇心旺盛な性格がいかんなく発揮されていたわけですが、しかしユーリィくんの正体を知っている読者とすればヒィとなります。
とにかく面白かったです、続きが楽しみです!