めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT(宮澤伊織著)の感想

 すごかった〜。

 またしても書店の検索マシンに「在庫あり お近くのスタッフにお問い合わせください」って言われて店員さん捕まえてみたらふつうに売り場に並んでて店員さんが持ってくるというわけのわからない展開になりました。あの書店中間領域なんじゃないのか。

 

 とにかく感想いってみます。空魚ちゃんが「ごく普通の大学生」をしているというわけのわからない出だしは公式のあらすじそのままです。

 空魚ちゃん、実話怪談の研究じゃないものを研究するならかわいいキャラクターの研究をするんですね……ゼミで寺生まれのTさんというのに、裏世界や鳥子ちゃんやカラテカちゃんや小桜ちゃんの記憶を消されてるわけです。そんな空魚ちゃんを鳥子ちゃんたちが拉致して汀さんの車でDS研につれていき、鳥子ちゃんの左手を失明していた右目に突っ込まれて記憶が戻ります。

 で、寺生まれのTさんがいったい何者で、なぜ破ぁ!して裏世界と人間を断つのか、という大きな謎に、潤巳るなや謎の子供が絡みあい、複雑かつ面白い物語が展開されるやつでした。超大好物。

 

 アニメを配信で面白く見ていたので、セリフが声優さんの声で想像されて楽しかったです、2期ないかなあ。農業機械動いてないじゃん。2期やるとしてもこの巻は無理かな。

 空魚ちゃんの激重な鳥子ちゃんへの感情たまらないです。鳥子ちゃんもすごいけど空魚ちゃんのあの地味目なビジュアルから繰り出される重たさがたまらない。そしてカラテカちゃんがなかなかに空魚ちゃん大好きでよい。

 あと空魚ちゃんがいろんな理不尽にツッコむキレのよさ。キレキレですよキレキレ。人の心がないとか言われてるの面白い。

 潤巳るなのくだりのやばさ半端ないっすね。DS研の患者さんたちがなつく。DS研、ずっと筒井康隆の「幻想の未来」のイメージです。

 謎の子供がそれなりに「価値観」みたいのがあって、ただおかしいだけじゃないの、なんだか興味深いです。

 空魚ちゃんは謎の子供に「霞」と名付けたわけですが、この謎の子供はこの先どういう役割を果たすんでしょうか。期待です。

 のどかに裏世界で土木作業をする空魚ちゃん鳥子ちゃんもよかったです、こういう平和なシーンがあるからヤバいシーンがヤバいんですね(語彙)。

 汀さんが相変わらずの丁寧なヤクザでとてもよかったです。空魚ちゃんの目に鳥子ちゃんが左手を突っ込むシーンの汀さんのリアクション怖い。

 

 とにかく大変面白かったです。やっぱり原作が一番面白いな……。前の巻が日常だったのでこの巻がノンストップジェットコースターノベルなのと温度差すごくてびっくりしました。

 とても良かったです、オススメです。