めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

錆喰いビスコ7 瞬火剣・猫の爪(瘤久保慎司著)と錆喰いビスココミカライズ3・4巻(高橋祐輔作画)の感想

 すごいものを読んだ……。

 こんな高カロリーな読書いっぺんに読んで精神が無事なことに驚きを隠せない……まあ2日に分けた(コミカライズは11日に読んで7巻は12日に読了)んですが。

 

 まずは内容的にネタバレにならないコミカライズの感想から。

 すごいんですよ、原作1巻は人生でいちばん読み返したラノベだと思うんですが、しかし感動で胸が詰まるやつでした。コミカライズ3巻の表紙が黒革なのよくわかってらっしゃる。

 伝説の始まりになった物語を視覚的に表現した、って書くと簡単そうですけど、あのクライマックスがずっと続くストーリーを絵にして展開させる力。すごかったです。

 でも高橋祐輔先生作画のビスコ、終わっちゃったんですねえ。豪快だけど少年漫画のような上手い絵で、この絵柄でアムリィやシシやチャイカやメパ革が見たかったです。

 あと巻末の瘤久保先生の小説、黒革推しにはめちゃめちゃ嬉しいやつでした。黒革、昔からあの性格してたんですね。リアルに小さいビスコ、かわいいです。

 コミカライズ、高橋祐輔先生作画の第一部は終わってしまいましたが、夏星創先生の作画で2巻をやるそうで、調べてみたらすごく雰囲気が2巻な絵を描かれる方でした。この絵でアムリィが見たい、女装ビスコが見たい、ケルシンハが見たいと思えたので、楽しみに待とうと思います。

 

 では原作7巻の感想いきます。ネタバレ注意です。

 まずは猫摩国、猫が人間を見限って作った国というのがすごく猫らしくていいです。猫はそういうやつらだ(被害者は語る)。

 月餅様がとにかくいいんですよ、魅力的な悪役という感じで。基本的に黒革やケルシンハやアポロみたいな、徹底的に悪いやつのイメージがあるのですが、その過去が可哀想だったり結末か幸せだったり、不思議なキャラクターでした。様をつけて呼びたくなる悪役好きです。

 鬼ノ子というのが月餅様との戦いで出てくるんですが、ビスコが鬼ノ子に哲学を与えて欲しいものなんでもやる、と言ったら「にんてんどー」って鬼ノ子が言うんですが、この錆喰いビスコの世界はあくまで現代日本と一続きなのすごいなあって思います。

 挿絵の入り方が絶妙でして、最後の見開きの挿絵、泣いちゃうよわたしは。1巻のビスコとミロが矢を放つ見開きの挿絵とも似ていて。よかったねパウー……と思うとともに、ビスコが忌浜の街でのささやかで普通な幸せでなく旅に人生を見出すのが痺れました。

 そしてそんなビスコを見守るジャビがもうどこにもいないというのが切なくて。ビスコこんなに成長したよ、ジャビあの世から見てる?!?!って思ってますます泣けるやつ。

 文章がとにかく読みやすくて、サクサク読めて楽しかったです。読み終わった瞬間もう一度読みたくなるやつです。こんなのシンゴジを劇場で観たとき以来だよ……。

 パウーの脳筋ぶりやチロルのガメツさがどんどん出てくるのがよかったですし、ミロの友情が激重なのもグーです。ミロが学歴以上にビスコを信頼しているの、想像はつくけど実際に文章にされるとひええとなりますよね……。あとあの可愛くて純真なミロの口から「どエロい」とか出てくるんですよ。最高じゃないですか。

 とにかくすごい面白さでした。読めてよかった。

 

 錆喰いビスコ、アニメ化が決まったのでますます盛り上がるといいなと思います。ミロの声が男性の声優さんなのがすごく嬉しいです。炭治郎の声のひととしか知らないのですが。なんなら炭治郎の声聞いたことないんですが。

 ミロを女の子だと思って視聴してビックリする勢に期待しかない。海外の反応も見てみたい。

 ただ問題はわたしの環境で観られるかだ。クレカ持ってないのでカッキーンしないと観れないとかだと困る……NHK日曜深夜の枠がいいなと思うんですが主人公もその相棒も名前が商品名だ……。スーパーカブのアニメが観られないと知って(まだあきらめてないですが)めっちゃ落ち込んだのでビスコアニメが観られなかったら泣いちゃいますよわたしは。

 

 とまあそんな感じです。長くなっちゃった。面白かったです!