めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

なつぞら第14週の感想

今週もデタラメにエモかったんですよ……千遥について突き詰めた一週間でした。

先週ラストで柴田牧場に現れたワンピースのお嬢さんはまさに千遥だったのですが、千遥は「なつや咲太郎のことを忘れている」、と自分で思っていて、電話で声を聞いて思い出すのですが、思い出してはいけなかったのです。

千遥は親戚の家を出たあと復員兵に拾われ置屋に売られ、おかみさんの娘として育てられて、結婚が決まっていたのです。最後に、姉がどんな暮らしをしているか知りたくて昔の咲太郎からの手紙を頼りに柴田牧場に来たわけです。

結婚するなら先方の親に戦災孤児であることを隠さなければならない。だから兄や姉に会うわけにいかない。なんだこれ悲しすぎるぞ。

最初、「置屋」ときたとき「あっ逃げてきた」と思っていて、逃げてくるより重い理由で打ちのめされました。逃げてきたなら柴田家とやりとりして助けてもらうこともできたかもしれない。でも違うのです、千遥は本当に幸せだったのです。幸せだったから兄や姉のことは忘れていたと思っていた。思い出して、実際に会ったら離れられない、そうしたら愛してくれた置屋のおかみさんを裏切ることになってしまうと思って、千遥は柴田家を去るのです。

これって照男兄さんや雪次郎の「優しい地獄」と同じ構造じゃないですか。なつの見てきた優しい地獄そのものじゃないですか。

互いに会いたいと思っている兄妹が、どんなに幸せでも会えない、二度と会えないってすごい残酷な話じゃないですか……。

千遥は牧場を出たあと帯広の旅館からなつと咲太郎に手紙を出します。その手紙の宛先には、「柴田なつ様」と書かれていました。

自分の素性を隠すため、そしてなつは本当に柴田家の子供になって幸せに暮らしているのだという思い。なにこれ悲しすぎる。

そして手紙の最後には、千遥が幼いころ見たおかっぱ頭のなつと坊主頭の咲太郎が描かれていました。それがまた上手いんですよ。

この三兄妹、揃って絵が上手なのです。でも実際に活かそうとしたのはなつ一人なんですよね。

 

千遥のキャストは今週まで秘密だったのですが、ネタバレ記事を踏んでしまった人が多かったようです。清原果耶ちゃんでした。

彼女、静かでクールな役が似合いますね。精霊の守り人バルサ(少女)とか。

 

それからなつは天陽くんに会いにいきます。天陽くんは結婚していて、貧しいながら幸せそうで、なつは少なからずダメージを受けたのですが、そのダメージを理解してくれたのが泰樹おんじでした。泰樹おんじもなつがいなくて寂しかったって可愛すぎかよ……。

天陽くんによると番長とよっちゃんは青年団で演劇をしているそうで、近況が聞けて嬉しかったです。

 

で、その日なつたちが柴田家の台所で夕飯を用意していると完全なる不意打ちで夕見子が現れます。夕見子は「女は台所で働き男は食事が出てくるのを待ってる」ことをズバリ古いと切り捨てます。さすが夕見子。つよい。

来週も夕見子が暴れてくれると思うと嬉しいです。夕見子がもし千遥に会ったらなんて言うんだろ。

 

あと今週おかしかったのは照男兄さんと咲太郎兄さんが互いに兄さん呼びだったことですかね。それから咲太郎兄さんよその家でくつろぎすぎw

柴田家の茶の間に、なつが制作に関わったアニメ作品のポスターが貼ってあるのが嬉しかったです。

あと砂良さんがおめでただったのですが、あさが来たをこの間まで観てたので突如産気づいたらどうしようと割と真面目に思ってましたw

 

それにしても千遥からの手紙だけで15分持たせる(もちろん回想や千遥の暮らしの描写を挟んでですが)って凄すぎやしないか。このドラマの底力を見た気がします。

 

来週はついに宮崎駿(をモデルにした人)がくるぞ……!サブタイトルが「なつよ、ワクワクが止まらない」って視聴者がいちばんワクワクしてるがなw

坂場くんも相変わらずめんどくさいみたいで期待です。このドラマ、酪農もアニメ制作も丁寧に描写してくるんですよね。楽しみです。