はい。
やべえものを読みました。歌舞伎じゃん……スーパー歌舞伎じゃん……そして遠山の金さんじゃん……。
今回もビスコとミロがやべえ大暴れするのですが、設定が今までで一番派手でした。3巻で「カニVS山手線……」と唖然としたのを軽々飛び越えてきた。そんな感じです。
ディストピアとかポストアポカリプス定番の「奴隷種族」というものを、全く陳腐にならずに正面から描き切る世界観、まさに錆喰いビスコでした。
ビスコたちは六道監獄に捕らえられたキノコ守りの仲間を助けようとして、たまたま「紅菱」という種族の少女シシを助けます。紅菱というのはかつて奴隷として作られた種族でした。
で、紆余曲折あってビスコたちも六道監獄にぶち込まれます。当然脱獄するのですが(当然とは???)、そこにまたしても史上最強の敵サタハバキが立ち向かいます。
ビスコは紆余曲折の間にサタハバキによって罪を犯すとダメージを受ける桜の刺青の呪いにかかるのですが、桜吹雪の刺青とサタハバキ(つまり裁判官)って遠山の金さんではないですか。サタハバキは桜を咲かせて戦うのですが、その凶悪な強さはキノコ守りの集落を一人で壊滅させるものです。そしてサタハバキにはキノコが効きません。なんだこれ大ピンチだ。
そして紅菱たちをみな監獄に捕らえていたのは紅菱の王ホウセンが同じく紅菱のサタハバキに頼んでそうしたことでした。この構図、キノコ守りのビスコとキノコ守りの黒革の対立に似ていませんか??(黒革ファン過激派)
紅菱は奴隷として生まれた種族です。最初は労働させられ、のちには美貌の種として愛玩用とされました。
その安全を守るために、ホウセンは自ら種族のみなを六道監獄に入れたのです。人間に逆らえない。逆らったらそのときは紅菱が人類を滅ぼし奴隷とするとき。ホウセンはそれをよしとしなかったのです。
で、このホウセン王、飄々としててよいのです。いや若くて綺麗な王様なのですが、ミロに整体をやられて悲鳴を上げたり、ビスコにシシを嫁にしろと言いだして妻帯者だと答えると「紅菱は多夫多妻だ」と言いだしたり。まさかああなるとは思いもしなかったです。
とにかく今回も熱量がやばいんですよ。ピンチに次ぐピンチ。「やべええ〜」って読んでました。
ミロの成長が著しいのもとてもよいです。でも必殺技があんまりにもあんまりだw桜の木といえばあの話!という必殺技を繰り出します。そこ読んで爆笑しましたよね。
ゴピスとメパオシャは地獄にいる牛頭馬頭だと暗示する小道具もよいです。六道監獄は本当に「六道」なのだなあと。地獄だから牛頭馬頭がいるんですよね。
相変わらず最初から最後までクライマックスでした。パワフル。新章開幕と聞いて錆喰いビスコの味わいが削がれやしないかと不安でしたがそんなことはなかった。
本当に面白いです。続きは冬かあ。待てない……。
実は同じタイミングで電撃文庫マガジンも買ってました。
ラノベはそんなに多読するわけじゃないので知らない作品がほとんどだったりするんですけど、錆喰いビスコのクリアファイルが付いてくるなら買わないわけにはいかないなあと。
まだ開いてないのでこれ書き終わったら開いてみます。
あと錆喰いビスココミカライズ、いつ旅に出るんでしょうか。絵もカッコイイし丁寧にやってくれるのは嬉しいんですがなかなか進まないなあ。
明日はなつぞらの感想書きます。