めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

「青春敗者ぼっち野郎、金髪尻軽ギャルのお気に入りになる」(刑部大輔著)シリーズの話

た、タイトルなっげえ……。

なっげえタイトルで分かる通りオススメラノベの話です。すごく良いラノベなので広まってほしい……。

つい先日2巻が出たばかりの超ホットな作品なので、たぶんいまから書店にいけばラノベの棚に平積みされているのではないでしょうか。

 

1巻を読んだ第一印象は「あ、あっめえ〜!!」でした。語彙のとろける超絶スイートラブコメ。もはや読むチョコレート。

でも読後すぐ書いたメモではそれほど面白がっている感じはなくて、むしろ「現実でこんな甘々な関係あるわけねーよな……ファンタジーだろ……」というような感じでした。

いや、確かにファンタジーなのです。放課後に図書室で勉強してるぼっち君に学年一の派手な女の子が(まあ諸事情あるのですけど)惚れてしまうというのは幻想以外のナニモノでもないのですけど、しかしその、人間の想像力が生み出した「オタクに優しいギャル」という概念がむちゃくちゃっょぃのです。

ヒロインのかれんちゃんは、好きと言われすぎて「好き」とはなにかよく分からなくなってしまった子で、あれだけ主人公の一条くんに過激に絡みつつもどこかウブというか真っ直ぐで、一条くんはそれに困惑しつつもかれんちゃんのおかげでスクールカースト最底辺を脱出する、というのが1巻のあらすじでしょうか。その様子がもう、死ぬほどもう、「り、リア充爆発しろ!!末永く爆発しろ!!式に呼んでくれ!!」という感じなのです。

2巻は夏休みの海です。水着です。何度でも言います、水着です。かれんちゃんは一条くんにフラれたと勘違いし、一条くんを好きになったのが初恋だと友達に言います。もう、その様子の尊みが、それこそ語彙をチョコレートに放り込んで鍋で煮た感じです。仲直り(?)の様子とか、最高オブ最高なのです。

そしてなにより、一条くんのぼっち生活のリアリティがすごいのです。クラスメイトの名前を把握してないとか休み時間は黙々と勉強しているとか自分の悪口はよく聞こえるとか、すごくぼっちらしいぼっちで、なんだかとても、リアルなぼっちなのです……。

1巻で「ガリ勉、勉強おせーて♬」とかれんちゃんが一条くんに声をかけていなかったら、一条くんは海にも行かないどころかスマホすら持つ気にならなかったのです。かれんちゃんパワーすさまじい。かれんちゃんみたいなコミュ強になりたい。

かれんちゃんという存在はもちろんフィクションだから成立するもので、現実にこうやってスクールカーストの底辺にいる人間に手を差し伸べてくれる人なんていません。いやいるのかな。分からないけど少なくともわたしは見たことがないです。

でも、かれんちゃんの優しさと愛が、一条くんの凍りついた心を溶かしていく様子は、口の中でキャラメルが溶けていくような、そんな味がします。

そしてこの作品は挿絵の挟まる場所が完璧なのです。2巻は水着だけでなく浴衣もあります。何度でも言います。浴衣もあります。

かれんちゃん以外の女の子や、一条くんのぼっち仲間の小松くんなど、脇役もとてもよいです。わたしは一条くんの妹の欅ちゃんが好きです。

これ、胸キュン映画的なのにならないかな。劇場がカップルとラノベオタクの合戦場になりそう。それはそれで見てみたい。

 

というわけでオススメのラノベの話でした。この作品は通称「青春敗者」というのですけど、どこが敗者やねん……

3巻出るかな。出たら学園祭とかかな、ワクワク。