スゲエヤベエ・トンデモナクオモロ・ライトノベルを読んだ。
受賞してあらすじがXに流れてきたときの騒然とした雰囲気はいまだに覚えています。というかあらすじが流れてきた瞬間(誇張)イーホンくんでポチってました。「おじ森」以来のとんでもない奇書ライトノベルかと思いきや、いや奇書ライトノベルだな、とにかくハチャメチャに面白くて二日で読み切ってしまいました。そしてすごい勢いでパワーワードが飛び出すので、またしても角刈りの文庫本を作ってしまいました。だって帯文に「夏目房之介黙認」って書いてあるんですよ、ずる過ぎやしませんか。
どういうお話かといいますと、夏目漱石が暗殺されて、森鷗外が夏目漱石の脳を冷凍保存されていた樋口一葉の体に移植するというとんでもねえお話なのですが、出オチじゃなくて文豪の脳を盗む「ブレインイーター」との戦い……という、ちゃんと盛り上がりのあるストーリーで、そのうえ文豪や科学者が続々登場するというすげえお話です。正岡子規が死んだのもブレインイーターに脳を盗まれて……という話や、夏目漱石が武装集団を率いていて……というエピソードもあり、とにかく一瞬も飽きないで夢中で読んでいました。
樋口一葉の体になった夏目漱石は女学校の先生になるのですが、そこで生徒に惚れられて(百合だ!)デートをするんですけど、芥川龍之介が「芋粥」と称してタピオカミルクティーを売っているくだりに大爆笑(誤用)してしまいました。あと与謝野夫妻のバナナの話も下品でめちゃめちゃ笑ってしまった……。あと夏目漱石の護衛の少女・禰子(ねこ)ちゃんがかわいいです。野口英世がイラストで見るかぎりイケメンキャラだったのも笑っちゃったんですけど、幕末の歴史とかも込みでめちゃめちゃ興味深くて面白かったです。
いやあ面白かった。これは傑作ですよ。出てくる文豪がみんなヤベぇやつばっかりで超絶楽しい。高浜虚子の陰謀とか小泉八雲のカリスマとか寺田寅彦の存在感とかみんなやばい。あと星一という名前が出てきてググったら星新一ネ申のお父様でした。どこまで調べ物すればこんなヤバいお話書けるの……?
そしてなんとこの作品は解説がついているのです! 解説のついたラノベ、され竜のスニーカー版以来で読みました。解説にある通り、確かにわりと最近文豪コンテンツ盛り上がってましたもんね。はー面白かった。
ネタでも出オチでもなくめちゃめちゃに面白いからみんな読もう。続きになりそうな含みもあって大変楽しみです。月が綺麗ですね。
面白かったです、オススメです!