めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

隷王戦記1 フルースィーヤの血盟(森山光太郎著)の感想

 今回も新鮮な感想だよ!!

 これ、ツイッターでハヤカワ書房のアカウントがめちゃめちゃ盛り上がってて、リツイートで「3部作といわず続けてほしい」みたいな話だったので、お財布と睨めっこして買ってきました。

 例の「お財布のピンチに買ってきた本は傑作」のジンクスにまたしても←NEW!が増えた感じです。文庫本くらい躊躇なく買える人間になりたかったよわたしは。

 

 この本の何がいいって表紙がたまらなくいいんですよ。どことなくゲームキューブとかゲームボーイアドバンスの時代の、正統派のRPGのパッケージみたいで。表紙絵のイラストレーターさん、ソシャゲのキャラクターとかも描いてらっしゃるんですね。

 それはとりあえず置いておいて、お話についてグダグダ言います。草原地帯の、平和な暮らしをしていた人々のところを、エルジャムカという覇王が攻めてきて、主人公のカイエンが族長の娘フランを助けようとするのですが、しかしエルジャムカに敗北したカイエンは奴隷として世界の中央(セントロ)に売られていきます。そこで奴隷軍人になったカイエンは、いろいろあってマイというお姫様の護衛になり、そこから力を手にして成り上がる……というお話です。

 成り上がるというとライトノベル でよくあるやつぽいですけど、いや成り上がりラノベあんまり詳しくないですけど、ぜんぜんライトじゃないんですよ。最初から最後まで略奪と陰謀と死闘がギッシリ。笑うところが一個もなくても面白い小説って成り立つんですね……。

 カイエンの暗いキャラクターはバテン・カイトスのカラスみたいでカッコいいですし、マイの無垢な強さも美しい。そして血のたぎる戦い。面白すぎるじゃないですか。

 カイエンの幼馴染でライバルのアルディエルがどういう形で今後出てくるか期待させるラストがとても良かったです。あと個人的にバイリークくんが好きです。ラージンさんも。

 

 すごく骨太で力強く描かれたファンタジーでした。続きが楽しみです。

 で、地味にビックリしたのが著者の年齢でして、わたくし金澤より若いんですよ。すごいベテランが書いてるとばかり思っていました。その若い人がこれだけ豊かな世界を生み出していると思うと、わたしも頑張らねばと思います。

 ラノベじゃないファンタジーを読むのは久しぶりなのですが、スルスル読めてとても面白かったです。続きいつかなあ。

 

 ……続きいつかなあってワクワクしてるんですが、本棚の限界が迫っています。とうぶん文庫本の開拓はやらないかな……。(貼ったの電書でしたが、金澤は紙の本派なので……)

 

 とにかく面白かったです、オススメです!