めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

魔王都市2 -血塗られた聖剣と致命の亡霊-(ロケット商会著)の感想

 またしてもすげえもんを読んだ。

 1巻を凌ぐ超バチバチのバトルが繰り広げられる魔族極道サスペンス!!!! という感じでした。いやあ面白かった……。またしてもふせんを貼りすぎて角刈りの文庫本が出来上がりました。本当にガガガ文庫はよいライトノベルを作る……。そして表紙のイオフィッテちゃんさん様とラズィカさんが可愛くてえっち!!

 前の巻の殺伐としておかしみのある世界観はそのままにバトルの規模がドドンとマシマシになった感じでした。4課のみなさんが元気で嬉しいです。バケツくんってひき肉になっても復活できるんですね……。

 相変わらずキードはキードでしたしアルサリサはアルサリサでした。アルサリサ、やっぱり子供扱いされれば怒るしすごい勢いで食べるのも変わらないのですね……キャラ立ちというのはこういうことを言うのか……としみじみと思いました。

 今回はゴーレム族の縄張りで起きた事件を解決するためにキードたちが走り回るお話なのですが、キードが魔王の舎弟ならアルサリサは勇者の娘、というのがしっかり示されてて笑ったり息を吞んだりドキドキしたりたいへん情緒が忙しいお話でした。なんだこれは傑作か。よし、アニメ化しよう。

 個人的にゴーレムの組である「紫電會」のリーダーのミゼさんが美少女ロボで大変高まりました。よく分かっていらっしゃる……ゴーレムのみなさんが「克己心」を掲げてメモリを増設したり記憶媒体を強化したりするのが殺伐としていてとても楽しいです。そんなに簡単に肉体改造しないで……それからゴーレム族たちがやってる人力タクシーがなんとも笑える。あと辛いお弁当食べてみたいです。ついでに言うとこの世界の魔族も杯で組に入るんですね、完全なるヤのつく自由業だ……。

 ゴーレム族の組に相当する「紫電會」の本部に乗り込むキードが紫電會の承諾を取ってなくて、それにミゼさんが「返事をしなくても勝手に乗り込んでくるから無視した(意訳)」って言って会ってくれたのなんともメカみがある。ゴーレム族は家族にあたる単位を「ロット」って呼ぶんですよ。この世界観!!!!

 メインのお話は騎士が轢き殺される事件が連続するところから始まって、新しい上官が上の意志ではぐれ魔族に罪を着せようとするのと戦ううちに偽造聖剣の出所を追う……という感じでした。キードとアルサリサが別々の行動になっちゃうんですよね。つらい。というかラストが盛大に「つづく!!!!」って感じだったの、このシリーズはまだまだ続くんだなあと思ってワクワクしましたです。しかしキード、どうなっちゃうんだろう……。

 とにかくキードとアルサリサが魅力的なんですよね。新登場のキャラクターもみんな魅力的だし、レトリックもとても楽しい。だからふせんだらけにしちゃったわけですが。いやあ面白いなあ。

 なんというか魔王都市を読んでいると初めて「されど罪人は竜と踊る」を読んだときを思い出すんですよね。たぶん人生初の「血沸き肉躍る、ついでに笑えるシーンもあり」なラノベがされ竜だったからだと思うのですが。柴田勝家のSFを読んで筒井康隆を初めて読んだときを思い出すような懐かしさと申しましょうか。

 

 とにかく面白かったっす。オススメです!