めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

七つの魔剣が支配するXIII(宇野朴人著)の感想

 エッグい本を読んだ。いやめちゃめちゃ面白かったんですけど。

 アニメ化された電撃文庫の人気ライトノベル! と言えば「面白そう!」と思うのですが、めちゃめちゃ覚悟して読んでもときどき休まないと読めないやつでした。いやめちゃめちゃ面白いんですよ、内容がめちゃめちゃエグいのですが。

 今回は前の巻で呪者の素質があることが分かってしまったガイのエピソードが多めでした。ガイ、ただただ剣花団のほかのメンバーと同じ強さでいたくて呪いの道を究めようとするのですけど、前の巻で受けた呪いが原因で剣花団をいったん離れることになります。それが原因でカティが不調をきたすというの、ガイは剣花団の緩衝材だったんだなあ……と。

 そして不調をきたしたカティを回復する手段が、そういうことなんですよね……シェラの提案で行われるわけですが、それがこの世界の魔法使いの当たり前で、シェラの子供のころの様子を読むにそれが当たり前として教育されてるんですよね。シェラもまた被害者だったという。

 というかピートの執着心が怖いしピートとオリバーがさらに深まっているんですよね。アニメになった部分の、オフィーリア先輩のところから救出されたときオリバーに「よく頑張った、えらいぞ!」と言われるあたりからオリバーのことをそう見ていたのでしょうか。この世界の魔法使いの当たり前が怖い。

 とにかくオリバーとシェラが仲違いしないで済んでよかったです。ガイがいつものメンバーだけでなく友達を作りはじめたのも、なんだか恐ろしいものの楽しそうで。とりあえず本編はハッピーな展開と言っていいのでしょうが、最後に描かれた異端の様子が実に恐ろしい。それから異端狩りのみなさんも禍々しい。わたし普通人でいいよ……こんな恐ろしい魔法使いとはお知り合いになりたくないよ……。

 ファーカー先生の目的も明らかになってきて、だんだん恐ろしさが増してきました。4年生編はこれで完結のようです。さらに恐ろしいことになるのかと思うとドキドキしかないです。こわ……でもすごく面白いです。

 この作品をアニメで知った人がいきなり原作の最新刊に手を出すことがないといいな……と思います。一巻から順番に読まないと意味がないんだ。シリーズは長いけどそれに見合った楽しさとゾクゾクがあるのは保証できます。

 もう楽しい剣と魔法の学園生活、という感じじゃなくなってきました。だんだんと殺伐度数の増していく展開、とても面白いです。

 

 面白かったです、オススメです!