めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

魔女と猟犬3(カミツキレイニー著)の感想

 読み終えて情緒がぐちゃぐちゃですがとりあえず感想をば。

 相変わらずばっちばちに美しい表紙だ……中の章ごとの区切りに入っている挿絵もスタイリッシュでカッコイイんすよこれ。

 やっぱり序章はおとぎ話調で始まるんですけど、そのおとぎ話の真相が明かされていく伏線がすさまじすぎてヒエエエエーとなります。今回は、前の巻で凍らされた黒犬ロロを復活させるために「海の魔女」を探すお話です。

 しかし「海の魔女」ブルハの過去のあまりに凄絶なことよ……こんな悲しい過去を女の子に背負わせるのつらいけど大好物です。それでもブルハ、明るくて海賊団のみんなに慕われているのがなんともいい。そして海賊団にとっ捕まった前の巻の「雪の魔女」ネルと、荷物に紛れて海賊になってしまったカプチノがかわいい。

 というか全編ネルのパワーワード連発がなんとも言えず面白い。ネルが魔力切れになると燃えちゃう上にロロも溶けちゃうので魔力を供給してもらったうえで省エネする必要があるんですけど、テレサリサの教えた省エネ法がかわいいです。ネル、大暴れしてくれてとても楽しかったです。

 ブルハたち海賊、九使徒、町のルーシー教の司祭たち、それからテレサリサの四勢力で、凍らされたロロの奪い合いをする、というのが今回のメインでしょうか。カーニバルの開かれている町で暴れ回る魔法使いたちと魔女たちのバトルが熱いです。

 ダークファンタジーというのが謳い文句の作品ですけど、いや確かにダークですけど、でもバトル要素がくっきりと立っていて楽しいので、異能バトル好きの人にも面白いと思います。

 たいへん楽しいバトルラノベでした。読んでいる間ずっとハラハラして、まさかの展開の連発にひょえーとなります。最後のほうのロロの登場は「そういうことかー!」となるのでやっぱりこの作品すごい。

 個人的な感想ですけど、ネルが海賊たちと仲良くやってるのは、海賊たちがヴァーシア人に近いノリだからじゃないですかね。ヴァーシア人もなかなかの蛮族でしたけど海賊たちもかなりの蛮族でした。

 お話の最後がいいですね。ロロの冒険はまだ続く。どこに着地するか分かりませんが、わたしもこの作品を最後まで追いかけようと思います。

 あと、あとがきのあとの予告編が痺れるんですよ……超こわい。でもワクワクします。

 

 面白かったです、続きが楽しみです。大乱戦魔法バトル、ワクワクしますね。