めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

ウは宇宙ヤバイのウ!〔新版〕(宮澤伊織著)の感想

 とても面白い本を読みました。

 早川書房がわあわあ言っていたのとツイッターでフォローしている読書家の方が面白がっていたのでついうっかり買ってきて、読んだら結果めちゃめちゃ面白かったです。

 とにかくひたすらハチャメチャで愉快なお話でした。どのキャラクターも可愛いです。主人公の空々梨は自分をふつうの高校生だと思っているのですが、実は星間諜報組織のエージェントで、ピンチを脱するために世界線混淆機なるものを使ったせいで高校生になり、相棒の宇宙船ヌルポイント(正確にはそのAI)はヌル香なる女子高生になっており、とにかくひたすらハチャメチャで面白いやつでした。面白かった~!!!!

 個人的にわふれむさんが好きです。やることがなかなかひどい、不確かな情報で空々梨の頭をドリルみたいなので開けようとして記憶を取り戻させようとするくだりが好きでした。あと空々梨とヌル香(ヌルにも漢字があるのですが、どう変換するかわかんないしとりあえず作中でもヌルヌルとか呼ばれてるんでこれでいきます)がコワーキングスペースでヤバい兵器を作って宇宙規模で炎上するとか、妹型宇宙生物とかそういうやつ……。

 宇宙にヤバい種族がいろいろいるのも面白いです。爆弾型生物、実家に補償金が送られててよかった。カマキリとか緑のゴリラとか熊とか馬とか犬とかヤバいもんがいろいろ出てきて楽しいです。とにかく破壊力抜群のSFでした。なんというか小松左京の虚無回廊とか筒井康隆の虚構船団と百合を合体して現代モノ、ギャグものっぽくした感じです。

 楽しい! と読んでいって、空々梨がこの世界の人間になるまえに見つけたヤバいものの正体がわかったときは「おおお……」となりましたです。面白かった~!!!!

 あとがきを読んでみたら復刊する前の一迅社文庫版は主人公が男の子だったと書いてあってそれはそれで読んでみたいな……と思いました。10年前ってライトノベルの主人公は男の子じゃないと売れない時代だったんですね……いいじゃないのかわいい女の子。ヒロインのちよちゃんが可愛くてニコニコしてましたよわたしは。ちよちゃんによると隕石はたこ焼きの味がするそうです。

 いやあ面白かった。熊になっちゃったり学校の授業が明らかにおかしくなったり、とてもとても愉快でした。続き出るといいなあ。早川書房さんなにとぞ……。

 

 面白かったです、オススメです!