また愉快な本を読んでしまった。
これです。ここまでライト文芸では硬派な作品の多かったつるみ先生が突如めっちゃ笑える作品で殴ってきました。なんだこれ最高か。
主人公は伝説のコレクションを追う怪盗一家の息子でフランス料理が得意なデキる主夫、そんな彼の妻は伝説のコレクションを守る警備組織のエライヒト。互いに互いの素性を隠しているくせにラブラブイチャイチャあああごちそうさまです!!となる夫婦です。
主人公の仲間で怪盗一家の構成は、リーダーの父、火薬担当の母、特殊メイク担当の妹、それからIT担当の祖母で、主人公は早く伝説のコレクションを全て手に入れ怪盗から足を洗いたくて仕方がない。一方で妻のほうは早く怪盗を捕まえてふつうの仕事がしたい。二人とも、今のままじゃ伴侶に相応しくないと思っている。だから仕事を頑張る、それが超大掛かりな夫婦喧嘩だと知らずに……というお話です。
何が面白いっていろいろダダ漏れになってるキャラクター視点切り替えのとこですかね。きれいな奥さんである花恋さんが意外とオヤジくさかったりするのがおかしい。
それからIT担当のおばあちゃんが面白すぎる上に凄腕すぎてやばい。自分の若いころの写真を加工して今どき風の美女にして花恋さんの部下(美女に弱い)を罠にかけるw
あと火薬担当の母の実家エピソードが強烈すぎるw面白すぎるのであえて語るまい……。
互いに想い合うゆえに無自覚で大激突する展開、楽しすぎます。罠のかけあいも見ていてハラハラします。
ラストがシビれるのです。お前ら末長く爆発して……。
なにより設定が上手いんですよ。主人公の黄太郎は怪盗一家の実行犯なのですが、怪盗一家は大昔主君の家から奪われたあまたの宝を代々追っていて、つまり宝を全て揃えれば晴れて泥棒をやめられるわけです。
花恋さんも所属は警察でなく、そのコレクションを防衛する組織に勤めています。
そいで二人は何度かニアミスするのですが、互いを互いと認識できないわけです。そのくだりもすごくヒリヒリする。
最後の戦いがとてもとても素晴らしいストーリーで、すげー!って読んでました。すげー!
細かいピースがカチカチハマるストーリー、このまんまドラマ化してほしい。黄太郎はだれかな〜。若手のすっごい美形俳優ってとこまでは妄想した。でも映像化したらツイッタードラマ実況勢が「トンチキドラマだ!」(※朝ドラ「あさが来た」でディーン・フジオカが五代友厚をトンチキに演じてからドラマ界隈ではトンチキは褒め言葉です。いやほんとに)ってなりそうw
それから黄太郎のことを花恋さんが「おーちゃん」って呼ぶのが可愛いです。黄太郎は花恋さんを「花恋さん」って呼ぶんですよね。なんだお前ら末長く爆発してください……。
最初あらすじを読んだとき怖い展開にならないかなと思ったら想像の遥かかなたをぶっとぶコメディでした。読みながらめっちゃ笑った。お勧めです!
それから。
これも読んだんですが、わたしのポンチな脳みそでは難しいところは飛ばしつつになってしまうのがひたすら悲しかったです。
「面白い→早く読みたい→でも難しくてついていけない→ストーリー部分だけ追いかける」という典型的パターン。短編集なので気楽に読みましたがちょっとわたしには難しくて。
分岐した世界の自分と話せる道具の話と人生を記録する話が面白かったです。感想を書くには理解度が薄かったのでここで報告しました。
さて、暮れも押し迫ってまいりました。もうそばとハーゲンダッツを用意しました。餅も。
明日あたり今年一年を振り返ってみようかな。
参加した合同同人誌も届いて早く読みたくてワクワクしてます。
それでは。