めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう~けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?~(赤城大空著)の感想

 いやタイトルなっげえんだよ!!!! でも面白かったんだよ!!!! というかこのタイトルまるっと収まるのかよはてなブログ!!!!

 なんだこれは。最初から最後までゲラゲラ笑いながら読んでました。これは傑作だ……そんなに物理的な厚みがないので背表紙にタイトルがギチギチでえらいことになってました。でも内容は超濃厚で大爆笑の面白さでした。

 なんというかこの現実世界にダンジョンが現れた世界が舞台なんですけど、ダンジョンでモンスターと戦ったりする様子を配信する人がいる、というちょっと面白い設定です。それともネット小説ではよくあるのかな。分からないけれど子供が危険なことをしないように未成年者はダンジョンで手に入れたものを換金できないとか設定がちゃんとしてました。

 主人公の山田カリンはダンジョン配信をドレス姿及び紅茶片手にやるというなかなか変な高校生の女の子なのですが、いままで自分のチャンネルにUPしたものはフェイク扱いされて誰からも見てもらえないという立場でした。しかし、ある日しょんぼりとダンジョンを引き上げる途中、中層で危険なアイテムを使おうとする男を見つけて思わずボッコボコにしてしまうのですが、そいつが実は有名で実力のある迷惑系配信者で、その迷惑系配信者の動画から特定班がカリンの切り忘れた配信を見つけて、ものすごいバズってしまう! という愉快なお話です。おハーブ(作中でよく使われる単語。草の意)。

 配信の様子だけでなくネット掲示板の様子とかもお話の一要素になっていて、なんというか大変ユーモアに溢れた内容でした。そしてバトルラノベとしてもたいへん熱い。カリンちゃんが素手でモンスターをボコっていくのがカッコいいを通り越してもはやおハーブですわね……。

 カリンちゃんがお嬢様スタイルでダンジョンに潜るのは、子供のころに観たダンジョンアニメがきっかけでして、どうやらアニメを配信かなにかで視聴者コメント付きで観たらしく、あらぬ名前の必殺技を意味も知らずに口走るというラストには大爆笑しました。そしてボコられた迷惑系配信者は復讐を考えていて……という続きを期待してよさそうな展開が大変よかったです。

 ああ面白かった……カリンちゃんの独特なキャラクターがたまらないです。掲示板の人たちや配信にコメントする人たちもなかなか楽しそうで楽しいです。あとカリンちゃんがボコってしまった迷惑系配信者の影狼砕牙が「ゲロ」というあだ名から「お吐瀉物様」と呼ばれているのもおハーブでした。

 

 面白かったのでみんなも読もう。オススメです!