めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

剣と魔法の税金対策2(SOW著)の感想

 まさか午前中だけで一冊読めてしまうとは思わなかったと供述しており。

 一気読みしてしまいました。面白かった~。

 

 前回のブログの記事をツイッターに放流したところ、なんと著者のSOW先生に読んでいただけたのですが、さすがに「ただのニチアサと歴史に詳しい人じゃなかった」は失礼だったと反省しております。

 

 では本題に参りたいと思います。今回は、魔王城が黒字倒産しそうになるところから始まります。不渡りって言葉は知っていましたがリアルなところこういう意味だったのかあ、としみじみ思いました。そしてまたしても魔族たちに金目のものを差し出させるメイがひたすらメイだ……。しかしモンスター由来の素材は買い取ってもらっても二束三文で、ちゃんとそれも理由があるんですよ。象牙は獲れないからベヒモス種の牙はハンコの材料として珍重されている……と思ったら人工のハンコ材料が普及しているうえに簡略化が進んでサインでたいがいの書類が問題ない、とか。

 魔族の領地には銀行がないのでとにかくお金を払わないと不渡りを出してしまう、というわけで、かつて魔王ブルーに仕えていた魔女ムーンバックに教えられて初代魔王の埋蔵金を発掘しに行くわけですが、それは魔女ムーンバックにいくらか報労金を払わなくてはならず、その上一時所得なのでごっそり税で持っていかれる……というやつなのです。

 そしてクゥの拾ってきた謎の少女・イリューが登場して、お話はまったく予想外の方向に動き出します。それだけでなく魔族御三家というのが登場します。あんまりネタバレ書くと法に触るとなにかで聞いたのでここには書きませんが、とにかくとんでもないことが起こって、ムーンバックとその背後にいるモンブランたちが悪い奴らだと分かります。そしてそこに税天使ゼオスが現れて、埋蔵金は一時所得か疑わしい、ということになります。初代魔王の遺産なので、文字通り相続財産、ということになるのです。この巻の主な内容は、イリューの起こしたとんでもないことを、相続放棄でキャンセルしよう! というお話です。

 

 個人的に好きな魔族は邪竜卿さんです。なんだかんだみんなの乗り物になってる(メイに角をへし折られたので)のがかわいい。あとなんでもリンゴで例えてくれるクゥちゃん有能。それから魔王城にも冠婚葬祭の引き出物が使われないでしまってあるの笑いました。

 ていうか1巻のときから思ってましたけど、ファンタジーと税金って組み合わせが面白いですよね。母氏が大昔税務署でアルバイトしていたとき、税金のルールの書いてある紙というのが分厚いファイルででんでんでーん! ってあったらしいので、物語のネタにするのにふさわしい材料ということなんじゃないでしょうか。いろいろな要素をうまいこと合体させれば面白いお話ってできるんですね……。

 

 とにかくすごく充実したお話でした、御三家の感じは歴史に詳しいひとじゃなきゃ書けないなあ……とか思いました。2巻も勢いよく進んでいくキレキレのストーリー! 充実の面白さでした!

 しかもなんと続きを買ってあるんですよ! ありがとう大人買いしたわたし! というわけで続きも読みます! 楽しみです!