めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

錆喰いビスコはやっぱやべえな……という話

錆喰いビスコの4巻を読み直してたんですよ。やっぱり4巻も「やべー!すげー!やべー!」で読んでしまっていたので。

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)

 

これです。読み返してみても圧倒的に面白かったです。

今回読み返して気付いたのは、あのショッキングなラストシーンにビスコたちが居合わせた可能性があるのでは、ということです。

ビスコたちが話してる描写があって、立ち去った描写がないような気がするんですよね。勘違いだったらごめんなさい。

 

で、紅菱という種族についてなんですが、「意志力が弱い」っていう設定だったから、ホウセン王を称えていたその直後にホウセン王を反逆の王とできた……というのが印象的でして。意志力が弱い種族の中でもシシの意志力というのは特殊であり、その力を与えたのはビスコの錆喰いの力で、その力はミロに向かってビスコには釣り合わないと言えるレベルだったんですよね。なんだみんなビスコ大好きだな(そういうことではない)

それは置いておいても、ビスコのことでミロに楯突けるって、ビスコとミロの関係を知らないにしてもすごいですよね。ミロがビスコのことになると怖くなるの、どこかビスコへの圧倒的な信頼と圧倒的な友情を感じます。いやもうこれは愛ですよ。だれにも覆せない圧倒的な愛。ミロとビスコが弓と矢であるというのはこのシリーズのテーマですけど、しかし少年の、純粋に相手を思い純粋になんの汚い感情もない愛を築いている関係って尊みが過ぎやしませんか。

 

そのミロが、ゴピスをなぶり殺しにしようとするシシを止めるシーンがすごいと思うんですよね。ビスコもそうですけどミロも曲がったことを許せないわけで。ミロはホウセン王に会って王とは何かを知って、ゴピスがシシたちにしたことをシシがゴピスにすることを許さなかったわけで。

ミロがどんどん強くなっていくんですけど(4巻ではビスコにバックアップさせたり)、ミロの強さはビスコの熱情とは逆の、クールな感情だと思うのですよ。知性に裏打ちされた感情というか。

ビスコがキレると暴れますけど、ミロはキレてもクールに怖いこと言うじゃないですか。怒って赤くなるやつより青くなるやつのほうが怖いってやつです。

ミロは本当にビスコの相棒だなあと思うのです。一巻で旅に出たときからずっと相棒なのですけど、何度死にかけてもそのたびに強くなっていく。

 

それから紅菱についてですけど、過去に3巻の考察をしたとき、「死しかもたらさない過去である錆に打ち克つ未来の生命であるキノコ」というようなことを書いたじゃないですか。

キノコが過去に打ち克つとき、過去の弱かった紅菱たちは変えられて、未来になったんですよね……かつて奴隷として生み出された種族である紅菱たちは、過去に打ち克ち進花したわけです。それは奴隷でなくなるということで、これから錆喰いビスコの世界でどういう役割を果たすのか期待です。

 

それからやっぱり次巻予告の「オレはずっと、恋い焦がれてたんだぜ、赤星ィ……」っていうのが気になって仕方がなくてつらいです。これ黒革だよね?!絶対黒革だよね?!

黒革、大好きなんですよ。なんだこいつ許せねえチキショウと思うくらい極悪非道なのに抜群に魅力的で。いや錆喰いビスコの敵はケルシンハもアポロもサタハバキも最高に魅力的なんですけど、黒革はなんだか別格なんですよ。この作品最初の敵だからというのもありますけど、こんな魅力的な悪役どうすれば書けるんでしょうか。

 

あと細かいとこですけど相撲中継って錆喰いビスコの時代にもあるんですね。怒波(いかるば)って四股名カッコイイ。

あとミロがチロルのことを気にしてたの、やっぱ公式はチロミロのミロチロなんでしょうか。テセチロも好きだから難しい……。

 

以上、考察っぽいものでした。5巻いつかな。瘤久保先生が脱稿したってツイートされてたけどどんなだろう。楽しみだなあ。