めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

裏世界ピクニック3の感想と蛇足

色々バタついておりました……読んだの水曜だよ、余裕なさすぎかよ。

というわけで裏世界ピクニック3ヤマノケハイの感想です。

裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)

裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)

 

これホント面白いっすね……ヒイイって怖くなりながら読んでました。事実読んだ晩怖くてなかなか寝付けなかったですもん。

とりあえず冴月がやばいヒトだというのはよく分かったです。そしてそのやばいヒトを恋い焦がれる鳥子が可哀想で。鳥子、触って冴月がすでに人でないのを知るシーンのエモみたるや……。

鳥子と空魚の関係がホントにね、イイんですよね……空魚が一巻あたりで鳥子のノリに辟易してたのを思うとホントお前ら末永く爆発しろですよね……。

カラテカちゃんとなっつんの軽いノリも楽しいです。空魚がカラテカちゃんをいかにうざく思っているかwちょっと狂わすってそんなやすやすと人を狂わしたらあかんw

でもサンヌキやばいですね、猿のミイラと歯っすよ。なっつんの家の庭から歯の詰まった骨壷が出てくるくだりは「ヒイ」ってなりました。

閏巳るなのあたりも絶妙なホラーで……怖いよ〜自己責任怪談怖いよ〜。怖すぎるよ〜。

 

実話怪談というテーマを科学のパターンに収めた、素晴らしいSFと言わざるを得ない……2巻のときも言ったけどもっと早く読めばよかった……。

そしてホラーSFでありながら、ちょっと過激な女の子の友情が練りこまれて、そしてその女の子たちが楽しそうなのがいいんですよね。中華粥食べたい。

農業機械で裏世界を、文字通りピクニックするみたいに探検する空魚と鳥子が可愛いのです。怖いのがムリな小桜ちゃんやウザい後輩のカラテカちゃんやその友達なっつんなどなど脇役もカラフル。

個人的に汀さんめっちゃ好きです……このストーリーに出てくる男性って少ないっすよね。汀さん、絶対元・ヤのつく自由業じゃないすか……。

あと武器の描写がかっちょいいです。叔父上譲りの武器好き(ただし知識はない)として銃器が出てくるだけでワクワクしますし、空魚がマカロフに執着するシーンは古い言い方なら「萌え」ます。

 

汀さんのヤのつく自由業で思い出したのですけど、中島らもの「ガダラの豚」という小説好きだったなあ。

中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫)

中島らも『ガダラの豚』全3巻セット (集英社文庫)

 

中学のころ気合いで読んだので色々ウロなのですが、民俗学者VSアフリカの科学的呪術師みたいな話で、たしか最初の方で元ヤクザのやっている新興宗教が出てきます。そのやりくちのすさまじさがすごいのです。(語彙!)

タイトルの「ガダラの豚」というのは聖書の、キリストが悪霊の集団を追い出したらみんな豚に取り憑いて湖に飛び込んで大量死したというおぞましいエピソードからきています。

いろんな宗教の目線からアフリカの呪術が描かれているのもとても深くてよいです。ぜひに。

 

次回は何を読もうかなあ。明日はおそらくなつぞらの感想かな。