めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

がんばれ農強聖女 ~聖女の地位と婚約者を奪われた令嬢の農業革命日誌~(佐々木鏡石著)の感想

 いまさらながら大変面白い本を読みました。

 ありゃ、電書のほう貼っちゃった。紙の本が欲しくてイーホンしたら在庫切れで、アマゾンしたらずいぶん前の本なので少々ぼろっちくなってました。2巻もイーホンでは取り寄せなので、お財布と少々相談してからとりあえずポチろうと思います。

 なんで読んでみたのかといいますと、同じ作者の「じょっぱれアオモリの星」が大変面白くて、調べてみたらこちらのシリーズがデビュー作だったようだからです。いやあ面白かった。するする読めて止まらない!!

 主人公の令嬢・アリシアは、聖女となるべく修行をしてきた女の子なのですが、聖女は王妃になるというところだけを見た妹のノエルに聖女の地位をかすめ取られてしまいます。地位も結婚相手も奪われてしまうわけですが、ノエルや王太子にもちゃんとそうした理由があるというのに大変好感が持てます。

 で、アリシア辺境伯の令息ロランとの縁談に乗って辺境に向かうわけですが、そこは冷涼で作物があまり穫れず、ワインのぶどうも病気にやられ……という土地でした。アリシアはそこで養蜂や先代の聖女が研究していた農薬の再現に着手し……という展開です。

 この世界における「聖女」というのは、農業を研究し、飢饉に襲われた土地を行幸し、祈りをささげ、農民を守る、というもので、ノエルや王太子はそのあたりを時代遅れだと誤解しているんですよね。アリシアは実際に先代の聖女を見ているので、そこをちゃんと理解しているわけです。

 ジャガイモのくだりは泣けるし、単行本限定エピソードのワラビがめちゃめちゃおいしそうで、これから冬になる東北の民としてはワラビの季節が恋しくなるやつでした。そしてお話がめちゃめちゃいいところで終わっておる~!!!! 2巻買いますよええ!!

 マジで農強聖女という言葉がピッタリくるヒロインのお話でした。2巻ではどうやら農協を作るぽいです。これは農業の知識がないと書けないやつだ。圧倒的でした。

 

 佐々木鏡石先生、ツイッターでフォローしてみたらトリブラが好きだったとか毎朝クマよけのロケット花火発射してから農業してるとか秋田県ラノベを作るべきとか、ひたすら共感しかない作家さんでした。わたくし駆除されるクマが可哀想っていうやつぁ家でクマ飼ってみろってんだよ!! と思っている秋田県民なので、佐々木鏡石先生がますます好きになったんですよね。角川のパーティーについて「東京は怖いけど二次会のカラオケで渾身の『おら東京さ行くだ』を歌いたい」と仰ってて、この人は推さねばならない作家だ……と思いましたです。

 いやー農強聖女面白かったです。なんこれ最高か。

 面白かったです、オススメです!