めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

公務員、中田忍の悪徳(立川浦々著)の感想

 きょうは二連発。こっちはきょう読み終わったやつです。

 なかなかすごい本でした。エルフちゃんかわいい。そんなエルフちゃんの横にいる忍、すごく顔が怖い。

 「3月のライオン」の新刊を買ってきたついでに「はたらけ! おじさんの森」を買ってきた話はしたと思うんですけど、そのときついでに買ってきたのがこれです。ガガガ文庫ツイッターがわーわー言ってるなあと思ってたんですが、賞をとった作品だし読んでみようかなーと思って買ってきました。

 で、そんなぬっるい思いを粉砕する、異文化コミュニケーション(マイルドな言い方)ラノベでした。なんだこれ傑作か。

 まああらすじは公開されているので省くとして、エルフちゃんに遭遇した忍のとった行動がまずはイカれている。そしてそのイカれた行動を、地球式の挨拶だと理解させようとするのがイカれている。そしてそれを表す地の文の擬音語が妙にかわいい。

 中田忍という人はとにかく感情が薄いなあと思うのですが、しかしその感情の薄さから繰り出される異次元殺法みたいな思考がとにかく面白い。そして忍のほかに登場する人たちもたいがいイカれているのです。

 エルフちゃんに遭遇して最初に連絡をとった忍の大学時代の友達・義光は大学の助教で、このお話のなかではいちばんの常識人でありいちばんの非常識人です。かりんとう……。そして忍の職場の後輩・由奈は忍をいじる才能に長けた才媛です。しかし忍が助けを求めて電話をかけたときの反応とかがキレキレでいい。忍をよく理解していてなにをされたら嫌がるか(まあ忍が嫌がってる様子はそんなにないんですが)を知っている……。

 忍たちがエルフちゃん、あとでアリエルと名前がつくのですが、彼女とコミュニケーションを取ろうといろいろなことをするのが面白いんですけど、なにを食べさせればいいのか、となって野菜カレーと豆腐ステーキを食べさせたときのエルフちゃんの反応がかわいい。そこは口絵になってますのでぜひ。

 

 いやあさすがの受賞作でした。やべー。語彙崩壊だ。どうすればこんなわけのわからない小説(盛大に褒めております)が書けるんでしょうか。傑作ー!

 冒頭、忍の平常運転の様子が描かれるのですが、それすらダレたりしないキレキレっぷりで最高でした。しかもそれがラストにつながるとは!

 とにかく面白くて夢中になって読みました。なにこれ傑作か。続刊が出るそうなので期待して待とうと思います。

 

 面白かったです、オススメです!