めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

七つの魔剣が支配するⅩ(宇野朴人著)の感想

 語彙が滅びるタイプのライトノベル……ライト? とにかく読みました。

 今回もイーホンくんがいい仕事をしてくれて発売日に手に入れたんですけど、イーホンくんって包装がわりと厚くて中身の厚さがよくわかんないんですよ。ワクワクして帰ってきてパッケージ開けたら鈍器でした。角でガっとやられたら痛いやつだ。

 今回は決闘リーグの上級生と、デメトリオ先生との戦いが描かれます。デメトリオ先生地味に大好きだったので死んでしまうのはつらいなあ……と思いながら読みましたが、ラストがそりゃもう素晴らしいのでみんな読んでほしい。

 そしてデメトリオ先生の過去とオリバーの過去が明かされるわけですが、どっちも壮絶すぎて啞然としながら読んでました。前の巻を読んでデメトリオ先生にやべえ過去があることは想像してたんですけどそのはるか上をいく凄まじさ。そしてオリバーの過去はさらにその上をカッ飛んでいました。

 一つ言いたい、このお話の魔法使いたちの結婚観ってどうなってるんだ。それはもうシリーズの始めのほうからそうだったんですけど、幼いオリバーに突きつけられたものがもうひたすら絶望しかない。

 最初のほうの、前の巻で起きたカティちゃんの事件について、ピートが提案する解決策というのが魔法使いの常識というか妥当な線なんだろうなあと納得させられる終盤でしたよ。そしてオリバーがナナオちゃんとキャッキャウフフするあたりは「これライトノベルでいいんですか?! 中学生も読むんですよ?!」ってなったんですけど、終盤の怒涛のオリバーの過去を読めば、まあこの世界では常識的かなって……。

 決闘リーグでミリガン先輩の採った作戦がすごかったり、生徒会選挙で新しい学生統括に選ばれた人が予想外だったりして、前半はワクワクしながら読んでいたんですけど、後半のデメトリオ先生の過去のあたりで、テレビで三毛別羆事件をマイルドに取り上げていたときのことを思い出しまして……登場人物に残酷なお話は面白いんですけど、それにしたってしんどいが過ぎるのでは(盛大に褒めています)。

 とにかく面白かったです。後半はほぼノンストップで読んじゃった。これ、アニメ化ってどこまでやるのかな。区切りのいいとこがどこにもないんだが。そしてアニメ化してテレビで流すにはいささかえっちなシーンが続々出てくるんだが。

 この作品をアニメ化するとなると相当な覚悟がいりそうだなあ……と思いましたです。笑いどころもちゃんとあるけどこれアニメ化したら全12回の鎌倉殿みたいになるんじゃなかろうか。

 頑張れオリバー、強く生きろ。続きとアニメが楽しみだなあ。面白かったです、オススメです!