とてもよいものを読んだ。
いつもの文庫版貼りたいのに電書貼っちゃうやつ。本屋さんで文庫を買って読みました。帯のアニメ化情報がめちゃめちゃにうれしい……。
今回も小熊ちゃんが超ワイルドでした。楽しい。ワイルド小熊ちゃんかわいい。
このライトノベルのすごいところはかわいい女の子がバイクと楽しく生活する話に見えて超硬派なバイク小説なところなんですけど、短編集のこの巻もそのいつものやつを踏襲していてすごくすごく熱かったです。
「助けておやっさん」のくだりはホンダファンの家族に説明したらややウケ程度ですが面白がってもらえました。本田宗一郎っておやっさんなんですね……。
あと椎ちゃんちのクリスマスとかレクサスの女と食べた中華料理とか飯テロがすごかったです……アイスバインとか鶏肉のカシューナッツ炒めとか食べてみたい……。
解体屋の棒人間のエピソードもなかなか熱いなあと思いました。アイヌの少女のエピソードはなかなかに重い。でも結果楽しくやってるからいいかな。
小熊ちゃんはカブに巡り会えて幸せなのだと伝わってくる文章なんですけど、小熊ちゃん自身が過剰に喜ばないハードボイルドな性格をしていて、淡々と展開されるのがすごくいいです。
小熊ちゃんはパッと見「かわいそうな境遇の子」なんですが、自分で自分をかわいそうがらないのがカッコイイです。小熊ちゃんにはカブがあるんですから。
乗り物を手に入れるとかかるコストや技術の話がすごくリアルでよいです。勉強になります。こういうのって維持費すごいんですね……それをまかなうためにバイク便のアルバイトをするっていうのもマッチポンプな気もするのですが、小熊ちゃんはカブで修学旅行バスを追いかけた子なので、本当にカブが好きなのだという明確な動機を示した上での描写ですごいなあと思います。
そもそも修学旅行バスをカブで追いかけるとかカブで桜前線に向かうとかカブで富士山登るとかこの子らやばすぎるでしょうよ……ワイルドすぎる……。それを文章にしてしまう勇気よ……わたしなら無難に面白くもクソもない展開しか書けないよ……。
でもってイラストが素晴らしいのですよこのライトノベルは。
なんだろう、すごく可愛らしいのにすごく色気がある。礼子ちゃんセクシーすぎる。
というか礼子ちゃん自転車乗れないの面白かったです。
三十代の目標として「原チャリと免許を手に入れる」をかかげているわたくし氏ですが、果たしてこんなに手間のかかるものが扱えるのだろうか……でもフィクションとはいえ高校生の小熊ちゃん礼子ちゃん椎ちゃんが乗ってるしな……などと考えながら読みました。
乗り物にはロマンが詰まってますねえ。すごい車やバイクに憧れる気持ちがなんとなく分かりました。
続きの大学生編あるのかな。楽しみです。
次は何を読もうかしら。