めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

砂の海のレイメイ 七つの異世界、二つの太陽(中島リュウ著)の感想

 すげえもんを読んだ。まさに健康になれるライトノベル

 健康美褐色おへそ美少女が表紙のワクワクライトノベルだ! いやー面白かった!本当にガガガ文庫はすげえ作品を世の中に送り出すレーベルだなあと思うなどしました。これは傑作ですよ……。

 もう発売からだいぶ過ぎてるんですけど、敬愛するライトノベル作家の佐々木鏡石先生が「トリブラとかあの時代のラノベの味がする」とおっしゃっていたので、読むしかないやつじゃん! とイーホンくんでポチって読みました。結果傑作でした。なんぞこれ、すさまじく面白いぞ。外耳炎で具合が悪いなか「読みたい……でも読んだら読み終わっちゃう……」などとうわごとを言いながら読んでました。

 まずは口絵のレイメイと月兎くんの表情が最高なんですよ。このバディの戦いが描かれます。他にもいいキャラがうじゃうじゃ出てきて最高でした。

 なんというか「孤独な少女と孤独な少年のガールミーツボーイ」という雰囲気だなあ、とも思ったんですけど、レイメイがひたすら明るく陽気でガサツなので悲壮感はそんなにないんですよね。月兎くんもコールドスリープから目覚めたら主君を失っていて、でもレイメイが「夫にしてやる!」と言い出して振り回される……という感じです。

 すごい展開が乱発するしナノマシン能力者の戦いとかいう中二心をくすぐるバトルが乱発するしで、とにかくとにかく面白かったです。中学生のころラノベを読んで「血沸き肉躍る」という感情を理解したときの気持ちを思い出しました。とにかく熱いんですよ! すべての展開が激アツなんですよ! なにこれ傑作!? みんなも読もう!

 もちろん令和のライトノベルなのでレイメイの夢は「昔の家族みたいにハーレムを作ってみんなで楽しく海賊稼業をする」ことで、女の子がハーレムを作る、という発想が令和だ、と思いましたです。もう男の子だけがモテモテである必要はないんですもんね。

 レイメイと月兎くんの関係が尊いのです、尊すぎて気絶しそう。そしてこの独特な世界もたまらないです。異世界が地球の上空に現れて砂を降らせているんですけど、その砂の海を舞台に不殺の海賊物語が展開するという凄まじいお話です。なるほど公募で賞をとった作品だ……。

 レイメイが母親の遺した力を発動させるシーンはそれこそトリブラアベルクルースニクを発動させるシーンを思い出しますし、これもまた中高生に「面白いよ!」と勧められる作品だなあと思いました。

 

 ああ、本棚がガガガ文庫の青い本で埋まっていく。面白かったです、オススメです!