だいぶ遅くなっちゃいましたが読みました。面白かったです。
実を言うとこの間のドラちゃんの記事にちらっと書いたとおり子猫が我が家にいてですね……図書館で借りたちょっと怖い民俗学の本を出来るだけ明るい昼間に子猫を観察しながら読もうとした結果、今月の読書がグダグダになってしまいまして……。
りょくち先生が今回は笑える感じじゃないとツイートなさっていた通り、なかなかおっかなくてハラハラするお話でした。
周りからは落ちこぼれと呼ばれる三人組(表紙の少年少女ですね)が、桶狭間の戦いをなぞったデスゲーム的なやつに巻き込まれてしまうお話です。デスゲームといっても児童書なので死んじゃうわけじゃないんですけどゾンビになります。そしてそのゾンビたちは世界中で発生している「児童ぬけがら病」で魂を抜かれてしまった子供たちなのです!
そして信長のホログラムが、今川義元を倒せば帰れる、ゾンビになった子供も助かる、と言ってくるわけです。責任重大。
今回の信長公は道先案内人という感じで、戦う仲間とかではないのですが、文章から見るヴィジュアルがなかなか恐ろしげです。そして今川義元、完全にホラーに出てくるやつだ。
主人公の明地トウマくんは、進学塾でついていけなくなって落ちこぼれ扱いをされ、塾をやめたせいで学校でも落ちこぼれとあだ名されています。そんな彼ですが、信長ばりの軍略家でして、サバゲーで戦略を立てるのが得意です。なかなか推せる主人公でした。勉強は苦手だけど賢い。そういうキャラクター好きなんですよ。
あとサバゲーって子供用のソフトエアガンもあるんですね。それを信長が「種子島」と表現するくだりはちょっとだけ笑いました。
トウマくんの仲間たちもなかなかイイ感じで、状況分析が得意で知的なマキオくん(通称マッキー)や、格闘の得意な野生児アミちゃん、それからさっくりやられてた六角兄弟など、とても個性豊かで人間らしいです。そういうところが魅力的です。
りょくち先生の新境地という感じの作品でした。面白かった~。しかもラストの引きがすごい。続きがめちゃくちゃ楽しみです。歴史ものというよりSFっぽい作品ですね。
最後に三人組で桶狭間の戦いの最新研究の本を調べるくだりがとてもよかったです。本は友達。この三人の活躍、期待しております。
面白かったです、オススメです!