最近いい感じな読書が続いております。
つるみ犬丸先生のお料理小説はおいしい。ひたすら「う、うめぇ(文章が)」ってなってました。
人間関係のとても奥深い物語でした。ラストは納得しかない。幸せな終わり方でした。
そもそもつるみ犬丸先生は大昔デビュー前にツイッターで相互フォローになりまして、すっごい気軽に「つるみさん」と言ってわちゃわちゃしてた方なんですよ(ちょっと自慢)。そういうわけでそのつるみさんが本を出される!となったころからずっと追っているんですが、今回は「えっ、これがかつてワナビ仲間してた人の文章……??このうまさはどういうことだ……????」となるやつでした。
描写がとても丁寧でイキイキしていて、しかもすごく読みやすい。すごくいい文章。
お話は最愛の妻を亡くして店をたたんだ若い板前・秋宗が、つぶれかけのおにぎり屋さんを営む若い女性の桜子さんと、その血縁のない子供である夏樹くんと出会い、それがきっかけでそれぞれの人生が変えられるお話でした。
その登場人物がみんな魅力的でして、深い過去をしっかり掘り下げて書いてあります。とてもリアリティのある造形でした。
で、話のキーであるおにぎりがこれまたおいしそうなんですよね。ディップおにぎり食べてみたい。日本酒BARシリーズの料理も美味しそうだったんですけどこちらもなんともいえずおいしそうで、いいなあ……となりました。
人間の繋がりってすごく多様だし多様であっていいのだ、という内容にしみじみします。主人公が亡くなった奥さんの夢を見るシーンや、こういうときどう思うのかな、って考えるシーンで、主人公の成長が描かれていて、とてもよかったです。
夏樹くんとその実の父のエピソードも、なんというかじんわりしたんですよね。夏樹くんの実の父は思い切りルール違反をしてるんですが、その気持ちも分からないわけじゃないっていうのがせつない。
あと夏樹くんは小学生にして弁慶を知っていたので、つるみ犬丸先生の別名義、りょくち真太先生の名作・戦国ベースボールの虎太郎くんよりかは歴史に興味があるようですw
とにかく面白かったです。顔の落書きのシーンめちゃくちゃ笑いましたし桜子さんの涙のシーンは胸に迫ります。すげー。つるみ犬丸先生すげー。早くその後ろを追いかける書籍化作家になりたい。
シリーズ続かないかな〜。おにぎりの無限の可能性よ……。
すごくよいお話でした。これはもう今年の読書ランキングの相当上に食い込むのでは。
さて、一緒にこのラノも買ってきたんですが、いつ読もうかしら。あつ森もサンクスギビングだしやることたくさんだなあ。
次はなにを読もうかな。