いまさらですが読み終えました。
第一部「巨神計画」は年単位で昔に読んですごく面白かったのですが、続刊情報を調べるのを怠ってました。そしたら三部作全部邦訳出てるじゃないですか!!びっくりだよ!!
図書館に読みたいとリクエストしたら相互貸借でめっちゃ遠くの図書館から借りていただけました。巨神降臨まだかな〜。
第一部「巨神計画」はほとんどインタビュー形式だったと思うんですが、第一部を読んだ感じだとそのインタビュアーは女の人かなあと思ってたんですよね。で、この第二部でインタビュアーの正体が明かされるのですが、なかなか意外な着地で、インタビュアーは意地悪で皮肉屋でフォントの違うキャラクターなんですが、めっちゃ愛着が湧くんですよね。他のキャラクターがインタビュアーのモノマネをするとフォントが変わるのがおかしいです。
どういうお話なのかというと第一部は「なんかでっかいロボットのパーツ出てきたから掘り起こして組み立てよう!足の曲がる向きが逆だから人間も改造してパイロットにしよう!」という感じで、第二部であるこの作品は「なんか都会にバカでかいロボットが出て毒撒いてる!なんとかしよう!」というものでした。
第二部の宇宙人が送り込んだロボットは、第一部のおぞましい人間改造なんてぜんぜん可愛いという感じです。毒ガスを撒くとか人工衛星をジャミングするとか地味な方法で攻めてくるのですが、それもまたおぞましくて、ただ単にロボットが暴れ回る以上の恐怖です。
そして人類に残された手段は、発掘されたロボット、テーミスで戦うことでした。そのテーミスのパイロットになるのは、エヴァという幼い少女なのです。
作者は日本アニメが好きな方だそうで、エヴァの名前の由来はエヴァンゲリオンであると作中で言及されています。エヴァの両親は(まあそのあたりも非常に拗れてていい意味でややこしいのですが)地球でテーミスが出現して、そのころ生まれた子供にロボットの名前をつけたい、と、エヴァと名付けたのです。
ロボットSFでありながらロボットの格闘シーンはほぼなくて、地の文による解説もほぼなく、インタビューと会話記録と手紙で物語は進んでいきます。
エヴァの境遇の悲惨さがすごいんですよ……かわいそうすぎる。あとマッドサイエンティストのパパントヌさんがやばい。パパントヌさんの暴挙によってエヴァが生まれた展開がやばい。あとクンパオチキンっておいしいのかな。
さて、第二部のラスト付近で人間はフルボッコにされて、これどうなるん……?と思っていたら最後の最後に驚きの展開が待ってました。早く第三部が読みたい。出版されているのに図書館がなかなか探せないでいるようです。
間違いなく傑作だと思います。すげえわこれ。映画になったらぜひ観たい。
あと話題は変わるのですが朝ドラのスカーレットがめっちゃ面白いです。超絶残酷劇。
なつぞらのなつは戦災孤児だったけど裕福な柴田牧場に引き取られて高校行ったり夢に向かって働けたのに、スカーレットの喜美子は逆に家族に搾取されているという。父親の常治はクズだし母親のマツは頭の中お花畑だという超絶地獄……。
そのうちまとまった記事を書きたいなあ。
次は何を読もうかな。