めんどくさがりの自分の尻を叩く読書ブログ

読書は好きだ。だがめんどくさい。だけれど面白い本を読みたい。だから感想を書いて尻を叩くというブログ。

なつぞら第16週の感想

今週もとてもよいストーリーでした。

まずはおんじが正義でした。夕見子が駆け落ちした相手を殴りに東京までやってきます。夕見子は大学の先輩で大きなデパートの跡取り、高山という男と東京に駆け落ちするのですが、この高山がまあクズなんですよ。

夕見子は亜矢美さんのおでん屋を手伝って、そのうち新宿にジャズ喫茶を開いて物書き志望の高山を支えたいというのですが、これってかつて夕見子が「古い」と切り捨てたものですよね。多分大学入学前の夕見子なら、高山と駆け落ちした夕見子を笑うと思うんですよね。

それから、当時は女の子が大学を出ても働く場所がなかった、というツイートを見て、もしかしたら夕見子はそれにも絶望していたのかなあ、などと思いました。

なつが内緒で富士子さんに連絡して、富士子さんは素破のごとき働きで高山のことを調べるわけですが、それがきっかけで高山の家族にバレてしまい、夕見子はなつのところに高山とやってきて、亜矢美さんに今までの賃金が欲しい、これからどこか別のところに行くと言いだします。亜矢美さんは機転を利かして、朝ごはんを一緒に食べることを提案します。

そこで高山は「本気じゃなかった」「できるわけがない」「デパートの跡取りだから好きになったんだべ」「飯も作れない女」とさんざんなことを言います。

高山、おんじの写真を見て開拓者精神に憧れヒゲを生やすとか、たぶん駆け落ちしてくる前は面白い男で、夕見子も面白いと思ったからついて行ったんでしょうね。

そしてクズの高山が出て行こうとしたところに、夕見子を迎えにきたおんじがいます。

おんじは「抹殺……」と不穏なことを呟いて高山を思い切りぶん殴るのです。高山は逃げ出し、そしてやっと、夕見子はおんじに抱きつくことができます。

夕見子は昔、なつのいびきに耐えかねて「おじいちゃんと寝る」と言った子ですから、もとはおじいちゃん子なんでしょうね。なつがきて甘えるのを放棄したのでは、と私は思いました。

夕見子とおんじはパフェを食べてから北海道に帰っていきます。その去ってゆくおんじの後ろ姿を見て、なつは詰まっていた木の巨人の動きを閃きます。

 

まさにおんじは正義。ジャスティス。

そして今日の回ではヘンゼルとグレーテルのアフレコをやってました。俺たちの受信料がすげえアニメになったぞ!!

そして下山班とモモッチと坂場くんのみんなでピクニックにいき、そこでマコさんは結婚するのだと言います。満足のいくものが作れた。だから今楽しめない理由を見つけたい。だからまた戻ってきたくなるような作品を作ってほしい。マコさんはそう言います。

そしてそれを聞いたなつは、一生アニメを作り続けるのだと決意する……そういう話でした。

今週のサブタイトルが「なつよ、恋の季節が来た」だったので、なにか素敵なことが起こるか期待したのですが、結局恋の季節だったのは夕見子でしたw

 

京アニの事件のニュースを聞いたとき、コンピュータ作画と手描きの差こそあれ、なつたちのようにたくさんの人が凄まじい労力と時間をかけて作り上げたものが失われたと知って悲しくなりました。素晴らしい才能や技術、作りかけの作品、原画、そういうものが燃えてしまったと。卑劣なテロで、たくさんのものが失われてしまった、と。

アニメは人が作らねばできないものです。人が絵をコツコツ書かねば出来上がらないものです。それがごっそり失われたのです。

どんどん亡くなった方の数が増えていくニュースを、ただただ恐ろしく見ていました。

こういうことは、二度とあってはならないし、どんな恨みがあったとしてもそれで世界は何も変えられないと犯人に思い知らせるべきではないでしょうか。

怪我された方の回復、亡くなった方のご冥福とご家族の慰めをお祈りします。