久々にドラえもんの大長編の話です。
きょうはこの2冊。
大長編ドラえもん のび太の宇宙小戦争 (Vol.6) (てんとう虫コミックス)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1985/10/28
- メディア: コミック
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大長編ドラえもん (Vol.7) のび太と鉄人兵団 (てんとう虫コミックス)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1987/01/28
- メディア: コミック
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まずは宇宙小戦争のほうからなんですけど、これ「薬やスモールライトの効果はいずれ切れる」っていうのを、めちゃくちゃうまく使ってますよね。
ひみつ道具の薬類の効果が切れてしまってピンチになる一方で、スモールライトの効果が切れてもとの大きさになってピンチを脱出する、という伏線の細かさ。そもそも小さな宇宙人の星、という設定がないとスモールライトの効果が切れてもとの大きさになる、というのが活かせないわけですし。
戦車で出撃するスネ夫としずかちゃんがカッコいいっす。スネ夫、ここぞとばかりにプラモを作りまくりラジコンを集めまくる……。
それから敵のドラコルル長官がむちゃくちゃ切れ味いいんですよね。ギルモア将軍について皮肉を言ったりとか。シャアみを感じます。なんだシャアみって。
ドラコルル長官、かなり好きですね……カッコいい悪いやつほどカッコいいやついないですもん。単純な子供向け作品の悪役って感じがしないんですよ。いやまぎれもなく悪役ですが。
で、鉄人兵団のほうもSFモノで、こっちはリルルがすごくいいんですよ……人の形をしたロボットというせつなさ。中身は鉄人兵団の他のロボットと同じなのに、しずかちゃんに優しく助けてもらって人の心を知るという……。
しかし人を奴隷にしようとするロボットって子供向けらしからぬディストピアではないですか。そんな設定で、みんなで鏡面世界で食べたいもの食べたり欲しいもの取ってきたりする楽しさみたいなものを描写するんですよ。すごくないですか。ジャイアンがいっぺんベッドで寝てみたかったとかすごくリアルだし、スネ夫が本屋から本を持ってくるのもお金持ちゆえの教養を感じます。鏡面世界だから本の字も鏡文字なんだろうけど……。
そういえばツイッターで錆喰いビスコの著者の瘤久保先生が「ドラえもんの空気砲って人に当たっても怪我しない程度の威力ってあるけど鉄人兵団でロボットに穴開けまくってた気がする」というようなことをおっしゃっていて、気になって見てみたら穴の空いた描写はなかったような感じでした。でも人に怪我させない兵器でロボットに大ダメージ与えてるのはマジなのでどういうことかとw
あとリルルがすっごいえろいです。しずかちゃんのお風呂なんてレベルじゃない……。スネ夫のミクロスもなんというか可愛いw
ドラえもんの大長編って「楽しいこと」を発端に事件が起こるんですよね。宇宙小戦争は特撮映画を作ろうとして、鉄人兵団はでっかいロボットをたまたま見つけて。
「楽しいこと」から物語が始まるのは、ツカミとして優秀なのかもしれません。ワクワクがなければ心を掴むのは難しいです。
さて、次はなにを読もうかな。来週3日連続で錆ビスを復習したい気もするけど新しい本を読みたい気もする……。