やべえ……やべえよこれ……。読めば読むほどやべえよ……いろんな意味で……。
裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 宮澤伊織
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: Kindle版
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何がやばいって裏世界の描写が怖いだけにとどまらず次第に現実を蝕んでいく様子が死ぬほど怖いよ……。それと対照的に百合模様が展開されるのもすごいよ……沖縄の海で遊ぶ展開ほんとびっくりしました。鳥子も空魚もかわいい……なにこのときめき……。
DS研の病棟の描写を読んで、小松左京のゴルディアスの結び目を思い出しましたよね。あるいは筒井康隆の幻想の未来とかも。
自信満々に見える鳥子が実は空魚に引け目を感じている、というのが切ないです。だから鳥子は空魚にいろんな友達を作ってほしいと願うのですけど、空魚は鳥子がいればそれでいいし友達増やそうとも思っていないこのアンバランス百合。鳥子は自分が死んでしまったあとのことを心配していて空魚は鳥子に死んでほしくない。どこまでもピュアッピュアじゃないすか。
コトリバコの解決法に驚きました。コトリバコ事件が発生するに至る経緯も。あの文書を読み上げるシーンの異常さ異物感尋常でない。
全編怖いんですけどぽんぽことかおっさん世界とか細かいところで笑わせてくるのもよいスパイスだなあと思います。
で、これ最後の展開がすごいんですよ。一巻のラストもすごかったんですけどそれ以上でした。
とても平たくて読みやすい文章で、サクサク読めてとてもいいです。とっつきやすいというか。
なんというか、分かりやすさとストーリーの複雑さは共存できるんだなあ……という感じで、目からウロコがボロボロでした。
最後に参考文献みたいな感じでネットロアの出所が書かれていて、膨大な調べ物を噛み砕いて書いたのだろうなと納得の一言。
しかし猫の忍者がこんな怖い話だとは知りませんでした。ツイッターのコピペbotで読んで笑ってたコピペですけどめちゃんこ怖いっす。そしてカラテカちゃんうざ可愛い。
そして小松左京や筒井康隆との類似点を感じるのは、やはり正統派のSFということなのでしょうね。
ああ、なんでもっと早く読まなかったんだろ。傑作じゃん。大傑作じゃん……。
やはり読書は楽しいです。来週は裏世界ピクニックの三巻を読むべきか、はたまた異世界食堂で味変(?)するべきか。
あ、なつぞらも楽しく観ております。今週中にもう一冊くらい本の話できたらいいな(希望)。